会社の喜怒哀楽ストーリー「社史」をバカにしてはいけない

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周年パーティは「社員向け演説原稿」に注力する

   同じ理由で、周年行事も積極的に活用すべきだ。周年行事にはパーティが欠かせないが、忘れてならないのは「コンセプトの明確化」である。少なくとも「誰のために開催するのか」「目的は何か」の2点を明確にしておく必要がある。

   社員を対象に「経営メッセージの浸透」を目的としたパーティなのに、社長のあいさつもそこそこに「マグロの解体ショー」で盛り上がるのは考え物だ。これまでのねぎらいの言葉にあわせて、会社が大切にしてきた考え方を浸透させる「社長のプレゼンテーション」が中心になる。オバマ大統領のように、演説原稿を練って臨んでもらおう。

   プレゼンには、過去の入社式の映像や、最初の入社案内の画像などを入れると、新しく入ってきた人たちにも歴史を追体験してもらえる。少し遊びが欲しければ、創業以来のエピソードをクイズ形式にして、勝ち抜きゲームにすることも考えられる。正解発表時には、それを実体験した社員にコメントしてもらうと臨場感が出る。

   「顧客や株主、取引先へ感謝を伝える」ためのパーティも考えられるが、社員向けのイベントとは別に設けた方がよい。「顧客第一」だからといって、社員向けイベントをおろそかにしてはいけない。会社の理念を浸透させ、社員同士の絆を太くし、血を通わせることが、職場を活性化させ、仕事の質を大きく左右することになるからである。

大塚 寿

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大塚寿(おおつか・ひさし)
1962年群馬県生まれ。中央大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。ヤマメの養殖で留学資金をつくり、1991年5月より渡米、アメリカ国際経営大学院(サンダーバード校)にてMBA(国際経営学修士号)を取得。現在、マーケティング・コンサルティングやオーダーメイド企業研修を行うエマメイコーポレーション代表取締役。『職場活性化の「すごい!」手法』(PHPビジネス新書)など、著書多数。
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