不思議な会社で働く「中の人」に1人ずつインタビュー
異なる国のスタッフたちが英語で会話しながら、開発を進めていく
「脳を管理する」というとSF映画に登場するような実験室を想像するかもしれないが、実際に管理するのはコンピューターのプログラムだ。ユーザーはインターネットでsmart.fmのサイトにアクセスし、学習したいコンテンツを選ぶだけでよい。
たとえば英単語を100個憶えるとすると、どの単語をどのくらい記憶しているかコンピューターが把握していて、ちょうどよいタイミングで復習をうながしてくれるのだ。一般的な人間の記憶プロセスとその個人の脳のクセにあわせて、最適の問題がクイズ形式で出題される。記憶力がいい人はいい人なりに、悪い人は悪い人なりにその人のペースで自然と学習を進めることができるという。
「脳科学と情報テクノロジーの力で、いままでの勉強の非効率なやり方を変えていきたい。smart.fmは世界に大きなインパクトを与えることができるプラットフォームだと信じて、20億円の資金を投資家から集め、組織を作ってきたんだよ」
エリックがそう自信をもって語るsmart.fmは、前述した世界各国から集まったインターネット技術者の手でつくられている。その組織は、日本の普通の会社とは違う独特のカルチャーをもつ不思議な空間でもある。
さまざまなバックグラウンドをもった異能のガイジンたちは、なぜ日本にやってきて、どんな思いで仕事に取り組んでいるのか。また、その中で働く"少数派"の日本人社員は何を考えているのか。次回から、毎回1人ずつインタビューして、その素顔を紹介していく。