電車で「ケータイ着メロ」切らないと、こんな悲劇が・・・

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求
「50代の男2人…車内の携帯使用で殴り合い、逮捕」
「携帯電話トラブルで電車止める JR車内で男女殴り合い」

   この2つはいずれも新聞に掲載された三面記事の見出しです。

   先の記事は、昨年12月に神奈川で起きた事件です。東海道線の優先席でメールをしていた55歳の男を、50歳の男が注意したことで殴り合いにまで発展してしまいました。

   では、後の見出しの記事は? 実はこれ、2003年4月、山梨で起きた事件です。

   携帯電話で話していた30代の女性を57歳の男が小突いたことから、やはり殴り合いに……。

優先席の近くでオヤジに抗議された

   東京の場合、時間帯にもよりますが、平均すると電車に乗っている人の半分から6割ぐらいが車内でケータイをいじっている印象です。

   最近では、車内で平気な顔で通話している人も見かけるようになりました。海外では、車内での通話は当たり前だそうですが、まだ日本では違和感があります。

   都内の会社員Aさんは、そんな車内で実際に不愉快な思いをしたことがあると言います。

「優先席に近いドア付近で立っていて、彼と短いメールのやり取りをしていたら、横にいた初老の男性がキツい口調で注意してきたんです」

   男性は、ここも優先席付近なのだからメールなんて言語道断、すぐに電源を切れ、とネチネチAさんに迫ってきました。

「正直、面倒なオヤジに絡まれたくないんで、電源は切らず、ケータイを畳んでバッグに仕舞いました」

   すると、男性は「電源、切ってないじゃないか、オレはわかるんだ」と、さらに強い調子でAさんをなじります。

意外なところから着メロが鳴り出した

   と、そのとき。男性のケータイが大音量で着メロを奏でだしました。

「最初は知らん顔してましたが、大音量がいつまでも続くので周囲の人がイライラしてきたのがわかったんでしょうね」

   男性はやにわケータイを取り出すと、大声で「いま電車だから! 降りたらかけ直すから!」と一方的に言うと、そのまま通話を切ってポケットに放り込みました。

「すぐさま、言ってやりましたよ。早く電源切りよ、って。バツが悪かったのか、次の駅でこれ見よがしにケータイ片手に降りて行きました(笑)」

   ケータイと電車、いずれも生活に欠かせないものだけに、もめ事の原因にもなりやすいですね。

   なにしろケータイときたら、子供も老人も外国人も、日本で生きる人すべてに行き渡ったかと思われるぐらいです。

   そんなケータイを取り巻くなかで起こるトホホな風景を通して、ケータイとの上手な付き合い方が見えてくるのではないでしょうか。

井上トシユキ

   ※これまで連載していた「ITとほほ観察記」は「ケータイとほほ観察記」と装いを新たにし、ケータイシーンにフォーカスした記事をお届けします(会社ウォッチ編集部)

井上トシユキ
1964年、京都市出身。同志社大学文学部卒業(1989)。会社員を経て、1998年よりジャーナリスト、ライター。東海テレビ「ぴーかんテレビ」金曜日コメンテーター。著書は「カネと野望のインターネット10年史 IT革命の裏を紐解く」(扶桑社新書)、「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文藝春秋)など。
姉妹サイト