編集者出身の作家、嵐山光三郎さんは、新人編集者に向けたインタビュー集『編集者の学校』(講談社)の中で「ひたすら先輩の真似をしろ」とアドバイスしています。挨拶の仕方から、読む本、着る服、髪型、歩き方までなんでも真似をしろというのですが、なかには、真似をされて気分を害する人もいるようです。こんな相談がQ&AサイトのOKWaveに掲載されました。
「すぐ人の真似する人ってどう思いますか?」
服の真似をされていい気がしなかった
相談者のbitaorenjiさん(女性と思われる)の職場に去年、20代後半の女性が入ってきました。その女性社員から「服はどこで買った?」と聞かれたので、ただの世間話かと思って普通に答えておきました。ところが次の日会社に行ってみてびっくり。なんと彼女がbitaorenjiさんとまったく同じ服を着ていたのです。
「聞いてくるくらいだから参考にしているんだろうな!とは思いますが、制服のない職場なのでちょっと気分悪かったです」
というbitaorenjiさん。その女性社員は、服のほかにも「どんな本を読んでいる?」などとたずねてきて、なんでも人の真似をしようとするのだそうです。
真似をされていると分かってからは、なんとなく彼女を避けるようになってしまったbitaorenjiさん。もしかしたら、自分の心が狭いだけなんじゃないかとも思い、Q&Aサイトで相談することにしました。
「すぐ人の真似する人ってどう思いますか?」
真似をするのは「憧れている」から?
この質問に対して、「その人は貴女に憧れているのかもしれません」という意見がありました。
「心の中で(カッコイイナ)と思っているので真似をすることにより貴女に近づけていると錯覚しているのかもしれません。誰も嫌いな人の真似はしないと思いますので」(aymhfgyさん)
また、「人間関係を築こうとしているのではないか」という声もありました。
「直ぐ真似をするとうよりも、接点を持とうとしている現れだと思いますが。積極的に対人間関係を築こうとして、会話の接点を探っているのだと思います」(nimda_1969さん)
これらの意見はどちらも当たっていそうな気がします。また、会社ウォッチのコラム『「できるヤツ」と思わせる20のコツ』でも「凡人はできるヤツを真似しよう!」と述べられているように、憧れの人の真似をすることは悪いことではないでしょう。
気にするのは「エネルギーロス」という声も
しかし、「完全コピーされるのはちょっと気分が悪い」というbitaorenjiさんの気持ちも分からないでもありません。実際、共感する意見もありました。
「凄い嫌ですね(笑 私の心も狭いのかもしれませんが^^; どこで買ったの?とか、聞かれることには悪い気はしません。好評なのかな?って嬉しくなります。でも、その聞いた人の前で真似っ子はやめて欲しいですね」(miffy05さん)
一方、いくらマネをされても「彼女は彼女。自分は自分」なのだから、「気にしない」のが一番という声も寄せられました。
「彼女は彼女。貴方は貴方だよ。気にしている時点で無駄なエネルギーロス。もったいないです」(blazinさん)
人の真似をする人、される人。そこには意外と深い問題があるのかもしれません。