悪質な違法行為とまでは言えないけれど、ちょっと怪しいグレーな会社の慣例を放置しておくと、権利意識の高いシュガー社員たちの非難の対象となります。社員の善意に寄りかかった経営は早めに見直して、健全さを高めておくことも重要な経営リスク対応となります。
夜中まで会社にいたのに「時間外手当が支払われてない!」
C子さんは、上場会社に5年間勤務していましたが、仕事にやりがいを見出せないまま退職し、転職サイトで見つけたベンチャー企業に再就職しました。転職先は経営者も若く、職場は活気にあふれていたので、C子さんは入社早々から張り切って仕事に打ち込みました。終電間際まで会社に残ることもしばしばでした。
そして待望の給料日。給与明細を見たC子さんは、わが目を疑いました。時間外手当が一切計上されていないのです。出社時刻と退社時刻は上司も知っているはずなのに、計算ミスかなと思って総務に問い合わせたところ「上司の承認がない残業には手当ては出ませんよ」と言われてしまいました。
確かに入社早々で勝手が分からず、仕事を教えてもらいながら何とかこなしていたので、通常よりも時間が掛かっているとは言えます。また、指摘されたミスを修正していて、結果的に会社に遅くまで残ることもありました。
しかし、自分の未熟さにも原因があるとはいえ、会社にいたのは間違いないのだから時間外手当はすべて支払われるべき、というのがC子さんの考えです。さらに、緊急の用事で会社から突然呼ばれて出勤した日の「休日手当」もついていませんでした。
上司にクレームを入れたところ、「休みの日に呼び出したのは悪かったけど、用事は2時間程度で終わったし、このくらいでは誰も手当てを付けていないんだよね」とのこと。C子さんは、確かに会社が利益を出すためにみんな頑張っているけど、私まで犠牲にならなくても、と不満を募らせてしまいました。