臨床心理士・尾崎健一の視点
「新型うつの特質を理解して協力を」
会社でうつ病が発生した場合、患者がどのタイプなのか把握して対応する必要があります。最近増えているのは、私生活では元気だが、会社に向かうと調子が悪くなる「新型うつ」と呼ばれるタイプです。このような症状は従来とは異なる症状があり、これをうつ病の概念に入れるか否かは、医師の間でも議論の分かれるところです。精神科医の香山リカ氏のように、新型うつは「仕事を通じて自己実現を達成しよう」とするからこそ生まれる新しい病気、と解釈をする先生もいます。
周囲は戸惑うかもしれませんが、このような病気の特質を理解し、医師の診断を尊重して復帰に向けて協力してあげることが必要です。なお、会社の机で突っ伏していたり、パチンコやハワイ旅行に行っていたりしている状況が、主治医に伝わっていない場合もあります。本人同席または本人の了解を得た上で「会社での様子」や「休職中の過ごし方」などの情報を共有すると、主治医の指導協力も得やすくなります。