「守破離」はビジネスパーソンにも使える
武芸を習う上で「守破離」という言葉がありますが、これも「できるヤツの真似」に通じます。「守」は、師匠の教えや型を見習って吸収する段階です。「破」は、師匠の教えや型を破ったりして、自分なりの方法の発展を試みる段階です。「離」は、師匠の下を離れ、自分で学んだ内容を発展させていく段階です。
単なるモノマネに終わらないためには「破」や「離」の段階が必要です。ただ、凡人としては「守」に相当程度注力しておくべきだろうと思います。これは、一流の人の書いた本を読むときでも言えることです。凡人が売りにすべきは素直さです。未熟なうちから、自分の好き嫌いの判断をすべきではありません。
まずは相手の言い分に素直に耳を傾け、自分のこだわりの限界を破ることから始めましょう。そして、その理解を足場に自分の考え方をまとめます。ニュートンは「私が遠くを見ることができたのは、巨人達の肩に乗っていたから」と言ったそうですが、かの万有引力の法則も彼だけの独創ではないということです。
「身近に見本になる人がいないから、自分も成長できないんだ」と嘆く人がいます。確かにそういう不運もあるかと思いますが、別にお手本は社内だけに求めなくてもいいわけです。できない原因を他に求めても、問題は解決しません。大切なのは自分の考えの持ち方です。社外でも広く通用する「できるヤツ」を目指すためにも、アンテナを高くして自分なりの理想像を見つけてください。
・・・…さて、今回で『「できるヤツ」と思わせる20のコツ』は、予定の20回目を終えました。ご愛読ありがとうございました。いま、連載前には思いつかなかった<できコツ>が、新しく頭に浮かんでいるところです。なので来週以降も、不定期ですが連載を続けさせていただきたいと思います。タイトルは「20のコツ」のままですが、引き続きよろしくお願いいたします。
野崎大輔