2008年10月から10回にわたって連載してきたコラム「サラリーマンに向かないヤツ」も今回が最終回となる。最後はこれまでと趣向を変えて、J-CAST会社ウォッチ編集部のインタビューに答えるかたちで、私、塚田祐子からのメッセージをお伝えしたい。
昔よりもはるかに「独立」しやすくなっている
編集部 まず、10回の連載を振り返ってみての感想を聞かせてください。
塚田 これまでAll Aboutや著書の『<独立成功>完全マニュアル』などで「フリーランスとして生きていく方法」や「1人ビジネス」についてお話させていただいていますが、そこでの読者は、すでに独立している人や、独立を決めた方です。今回の会社ウォッチの連載は、読者対象が会社で働いているサラリーマンやOLの皆さんだとうかがって、何を、どのようにお伝えしたらいいか、考えてしまうことが多かったですね。それでも、回を追うにしたがって反響が出てきたり、独立された方から暖かいメールをいただいたりして、書かせていただいてよかったと思っています。
編集部 このコラムでは、「自分はサラリーマンに向かないんじゃないか」と悩んでいる人に向けて、本当にそうなのかどうか考えるヒントを与えるとともに、独立するために何を準備したらいいのかを伝えてきましたが、独立をめぐる環境は昔と今で違うのでしょうか?
塚田 私が独立したのは20年以上も前のことになります。昔は、一度入った会社で定年まで勤め上げるのが当たり前で、転職したり、独立する人は褒められた存在ではなかったです。そのころに比べたら、今ははるかに独立しやすいと思います。特にIT化が進んだ1990年代の後半から、環境が大きく変わってきました。当時、「IT革命による恩恵は、個人が生産手段を取り戻したことだ」といわれて、その言葉に感動したのを覚えています。今は、個人でもパソコンやインターネットを活用すれば、ローコストで色々なことができます。独立して仕事ができる環境が、比較にならないぐらい整っていると思います。