外国のことはよく分かりませんが、日本の伝統的な会社には、来客があれば女性社員がお茶を出すという企業文化があります。しかし男女平等の観点から、「お茶出しは女性の仕事」という風習に疑問を感じる女性社員も多いようです。Q&Aサイトの「教えて!goo」にこんな質問が投稿されました。
「お茶出しは、あくまでも女性がすべきと思いますか?」
自分は暇なくせに「お茶出し」を催促する男性社員
相談をしたのは、ショールーム形式の店舗で事務員をしている女性(stoponeさん)。ある日、彼女が席を外しているときに来客があったのですが、お茶が出されていませんでした。席に戻った彼女に対して、同僚の男性社員(5歳上の同期入社)がたずねます。
「お茶、出さなくていいの?」
その同僚は別に忙しそうなわけではなく、ずっとネットで動画サイトを見ていました。「暇だったら、私が席を外している間、お客様を放置しないで自分で出してほしい」と彼女は感じましたが、年上ということもあり、自分の気持ちをそのまま伝えることができませんでした。
同僚の態度に納得できない彼女は、Q&Aサイトで相談することにしました。
「お客様へのお茶出しについて質問です。『できれば女性』がすべきと思いますか?『あくまで女性』がすべきと思いますか?」
女性がお茶を出したほうが好感をもたれやすい!?
この質問に対しては12件の回答が寄せられましたが(2009年3月17日現在)、「あくまで女性がお茶を出すべき」という人はいませんでした。つまり、男性社員を擁護する意見はありませんでしたが、「できれば女性に出してもらいたい」という人は何人かいました。
たとえば、ある30代の男性は次のようにコメントしています。
「私個人の好みでいくと、丁寧に接客される方が良いですね。私の勝手なイメージでは、会社で丁寧な接客を教育されている方が多いと思いますので、一般的には女性になるのかなぁと」(kkk1024さん)
また、女性でも「できれば女性にお茶を出してもらいたい」という人もいます。
「女性社員も居るのに男性がお客様にお茶をいれていると『この会社は女性が強くて怖い人ばかりなんだろうな~』と感じてしまいます。(あくまで私の主観です!) 今は男女平等なので本当はそんなの区別してはいけないとは思うんですが・・・」(itamさん)
お茶出しを女性に要求するのは「ジェンダー・ハラスメント」?
しかし「できれば女性」派の人も、女性が不在のときはその場にいる男性がお茶を出せばいいと考えているようです。特に、自分はお茶出しをしないくせに他人にお茶出しを催促する男性社員の態度はおかしい、と感じる人が多数派でした。
「つべこべ言ってる暇があったらお客様にお茶を出せ!!って言ってやりたいですね」(mame205)
さらには、そもそも「お茶出しは女性の仕事」という考え方自体がおかしいという声もあります。お茶出しを女性だけに要求するのは「ジェンダー・ハラスメント」だ、という意見です。
「ジェンダー・ハラスメントとは、性に関する固定観念や性別役割分担意識に基づく差別や嫌がらせのことを言います。例えば、女性だけにコピーなどの補助的業務をさせたりお茶くみなどをさせることを言います。・・・高級レストランでは、ウェイトレスよりウェイターの比率が高いと思いますが、どうして来客のお茶出しは女性が良いという考えがあるのか、私には理解できません」(tulipeさん)
たかがお茶出し、されどお茶出し――みなさんは、どう考えていますか?