「レクサスを生む白菜」と「枯れないスイートピー」

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1ヶ月以上も枯れないスイートピーの秘密

切ってから1カ月以上も枯れないスイートピー。その秘密は「土」にある
切ってから1カ月以上も枯れないスイートピー。その秘密は「土」にある

   長野に、耕作放棄地をリースし、都心から若者を雇用してレタスを作っている先進的な農業法人がある。テレビでも紹介された有名なところだが、見学に行ったとき、そちらの社長さんも、

「10億作ったら10億売らなくてはいけない」

と言っていた。作る人がいればそれを売る人も絶対必要なのだ。

   そんなことを思い出しながら、足を飲料ブースへ移す。ここは主にアルコール類が多いコマだ。私は以前酒造メーカーで働いていたことがある。アルコールのブースには、昔お世話になった方も数人いたのだが、その一人にこんなことを言われた。

「年末に三輪さん(セレン社長)からスイートピーを送ってもらったよ。あれって何? びっくりしたよ! 香りが普通のスイートピーより強いし、先月まで枯れないで咲いてて、驚いたよ」

   スイートピーは、三輪が指導している宮崎の花農家さんが作ったものだ。この花をもらった方はたいてい驚く。ご主人を亡くされたばかりのおばあちゃんがスイートピーをもらったとき、あまりにも長いあいだ枯れないので「おじいちゃんが花にのりうつったのかも」と相談しにきたという笑い話もあるくらいだ。

   普通の切花は、10日から2週間くらい楽しめれば上等だろう。でもこのスイートピーは、土作りによって根が養分を吸収しやすくなっている。蓄積養分が茎にしっかり残っているので普通の切花にくらべ長持ちするのだ。

   茎は普通より硬く、しっかりしていて、プラスチックみたいに感じる。私も同じころ贈ってもらったが、12月下旬から2月上旬まで確かに枯れずに咲いていた。枯れにくいスイートピーと宣伝しているわけではないが、この農家さんの作る花は人気のようだ。

   高品質な農産物をつくってそれがお客様のニーズとあえば、きっと儲かる農業が実現できるのだろう。それには日々たゆまぬ努力と情報収集も必要だけど。

セレン社長秘書 大倉野あやか

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「食を通じて人を元気に。」を合言葉に、2008年10月1日設立。再現性のあるサスティナブルで「儲かる(=夢のもてる)農業」の実現を目指し、農業技術支援だけにとどまらず、人財教育、地域コミュニティの再構築など農業を通じて、日本各地の地方復興、就農者の増加のために現代農業の活性化に邁進している。
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