スパム防止フィルターにはねられた?
すでにオンエア時間が迫っていたこともあり、さらなる次善策として、緊急用に取ってあった大手事業者の無料メールアカウント(.comドメイン)宛に空メールをもらい、それに返信することにしました。
ところが、今度はTさんの方へ、いつまで経っても空メールが送られてきません。
しかも、そんなやり取りをしている間にTさんのパソコンがフリーズ、保存していなかった原稿の一部が消えてしまいました。
「結局、その局へ移動し、担当ADの目の前で消えた部分を書き直し、プリントアウトしてなんとかなったんですが…。どうも、私のメールアカウントが、普段使用しているものも大手事業者の無料のものも、どちらも新しく導入されたスパム防止のフィルタリングに引っかかってしまい、ハネられていたみたいですね。受信できないのはともかく、送信できないってのにはびっくりしましたけど」
Tさんが普段メインで使用しているアカウントは、地元のケーブルテレビ局のものだそうです。
「フィルタリングに引っかかりそうにない、大手プロバイダのアカウントを取ろうとは考えているんですけどね。ケーブルテレビのものはタダでもらったものだし、自宅の回線を新たに大手プロバイダへ変える手続きが面倒で、まだやってないんですよ。だから、いまはメールを送ったら、いちいち電話でメール送ったけど着いてる?って確認をしています」
おおげさに言えば、利便性や安全性が向上するにしたがって、マイノリティが切り捨てられる一つのケースですよね、と言ってTさんは力なく笑いました。
井上トシユキ