「非正社員」の本当の味方はだれか

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「正社員vs非正規雇用」のアングルが理解できないテレビ局

   公平を期すために保守政党についても言っておくと、民主党は意見が真っ二つに割れていてどっちつかず、自民党はそもそも雇用問題に関心が無いのであてにならずといったところか。ただし、この人たちは世論次第でどちらにも転ぶので、世論を啓発するメディアの役割はとても重要になってくる。

   そういう意味では、ダイヤモンドや東洋経済、日経新聞といった経済系メディアは、最近は構造上の問題にフォーカスし始めている(具体的には「正社員vs非正規雇用」というアングルの提示だ)。問題なのはテレビ局だ。その影響力にも関わらず、彼らはこのアングルをまったく理解していない。

   たとえば朝生なんかでは、しばしば貧乏側の代表として連合・社民党あたりを座らせているが、上記の区分けからすればもはやジョークとしか思えない。だってそうだろう。格差是正に反対な人たちが、弱者の代表面して座っているのだから。このテーマの討論番組がいつもグダグダなのはそれが理由だ。

   非正規雇用の人たち、特に氷河期世代の若者たちは、既存の労組や左派政党とは距離を置くべきだ。でないと、彼らの政治活動や既得権擁護のために骨の髄までしゃぶりつくされることになる。逆に正しい声を増やすことさえ出来るなら、応えてくれる人は政治の世界にもきっといるはずだ。

城 繁幸

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人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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