学歴主義の例外「金儲けの達人」
とはいえ学歴主義の例外ももちろんあります。どこの外資系にも必ずいるのが、とにかく金儲けが上手く、その実績を引っさげて外資系を渡り歩く連中です。いわゆる「やり手」です。彼らについては典型的なコースというのも特にないのですが、中の上クラスの私大からノンバンクやメーカーの財務部などにはいり、そこから流れ流れて外資系金融へ、というのが良くあるパターンです。
ひと言でいうと彼らは「金儲けの達人」です。英語が特段上手なわけでも、高等数学がわかるわけでもないのですが、カネのにおいを嗅ぎつけるのに敏。加えて行動力があり、押しが強く、世渡り上手。取引の中身の難しいところは「東大出の皆さんにお任せして」自らは「商売のネタを探し、ディールのとりまとめに徹する」というわけです。
こういう人は実績があるので、外資系では重宝されます。学歴云々で差別されることはありませんし、目の飛び出るほどの高収入を得る場合も少なくありません。しかし性格的にアクが強かったり、コンプライアンスを無視しがちだったりする例も少なくなく、社内でいざこざを起こすことも結構あるようです。結果としてなかなか一箇所に長くとどまれず、いくつかの職場を転々とする人が多い気がします(一概には言えませんが)。
外資系で学歴が決定的に重要か、というと「そうではない」と答えるしかありません。学歴ではなく自分のユニークな資質を最大限に発揮できる力こそが外資マン(ウーマン)に必要とされているのではないでしょうか。
益村誠一郎