マンネリ化した表彰には「変化球」を盛り込む
多くの会社で採用されているインセンティブだが、効果的に運用するのは案外難しい。いつも同じ人ばかり表彰していては白けてしまうし、長期間のインセンティブは中だるみしがちだ。営業などは、担当顧客やエリアによっても業績が影響されて、公平さを保つのは難しいのに、それを数字だけで評価されてはたまらない。
せっかくのインセンティブの効果が上がっていないな、マンネリ化してきたかな、と思ったら、新しい表彰項目を設けてみてはどうか。コツは「変化球」を混ぜることだ。ゴルフコンペの「ブービー賞」と同じ配慮である。
売上数値の1位、2位だけでなく、他のメンバーへ良いアドバイスを提供した人を表彰する「ベストアシスト賞」や、雰囲気を盛り上げてくれる人を表彰する「ムードメイク賞」などを設けて、各メンバーの存在価値を認めてあげることも効果的だ。
苦しみながら努力している若手の頑張りを認め、将来への期待を込めて「大器晩成賞」をあげたってかまわない。思いついたらすぐ動く「腰が軽いで賞」(尻ではない)は個人的にも取り入れたいし、同僚が喜ぶ「笑顔」を大切にしている人にも何かあげたいところだ。
どんな高い売上をたたき出すトップセールスマンでも、たった一人で仕事を続けていくことはできない。現在と将来の成果に結びつく真摯な取り組みを観察し、プロセスも適切に評価してあげることは、職場活性化において重要なことである。