雑用経験は「将来のリーダー」にとって欠かせない
部署内で誰かが忙しそうにしていたら、自分から進んで雑用を引き受けましょう。雑用であれば、凡人にでもすぐできるはずです。「こんな仕事もあるのか」と新たな気づきを得られるでしょうし、部署内の仕事を把握するには効果的です。
一緒に仕事をすることで、人とコミュニケーションが生まれ、いつかあなたが困った時には助けてくれるかもしれません。仕事は一人でできることは、たかがしれています。相互扶助の精神で、お互い助け合っていきましょう。このようなスタンスでいると、あなたの味方が増えて仕事もやりやすくなります。
『クビ!論』で有名な梅森浩一氏は、著書『ボスと上司』の中で雑用――彼の言葉でいうと「クソな仕事」――の効果を、次のように述べています。
「あなたのことを本当に一人前にしようとしている「上司」なら、かならず「クソな仕事(汚い表現ですがご勘弁ください)」をさせるはずです。なぜなら、…仕事というのは実際にやってみればなんのことはない、その99パーセントがクソな仕事の積み重ねですから、将来人の上に立つリーダーのあなたが、そのことを知らずしてちゃんと会社(組織)を引っぱることなど不可能だからです」
このように、雑用経験は、将来のリーダーにとって必要なことです。部下の仕事が分からないと指導もできませんし、部門の仕事も管理できません。突出したスキルのない凡人は、雑用を積み上げていってこそ大きな仕事にありつけることを念頭におき、昇進・昇格する手段と考えるのもいいかもしれません。そういえば天下人・豊臣秀吉も、織田信長の草履取りから出世したのではなかったでしょうか。
野崎大輔