「危険度判定シート」で気になる会社をチェック!
巻末の「危険度判定シート」には99のチェック項目が列挙されている
この本を手に取った読者は、それぞれの関係する業種に応じて、興味のある倒産事例を「つまみ読み」するだけでも十分に参考になる。だが、巻末につけられた「危険度判定シート」はどの業種でも使える、汎用性の高いチェックリストだ。
これは元来、取引先の信用度を確認する際の指標として作られたものだが、サラリーマンにとっては、自分の会社の危険度をはかるチェックリストとしても使えそうだ。チェック項目は全部で99あり、「社長・役員」「従業員」「商品・技術・サービス」「財務・資金繰り関連」「その他」の5分野に分かれている。
たとえば、次のような項目にチェックがたくさん入る会社は注意したほうがいい。
(1)社長・役員が不在のことが多い
(2)有能な幹部が退職している
(3)経理担当者が不在がちだったり退職している
(4)在庫に極端な増減がある
(5)過度な安売りをしている
(6)売上高の横這い・減少が3年以上続いている
(7)不動産の担保権者に個人名が入っている
(8)事務所やトイレが清潔ではない
(9)会議が急に多くなっている
(10)規模のわりに子会社(関連会社)が多すぎる
(11)イメージ先行型の社名変更が頻繁にある
(12)極端な秘密主義である
「このチェックリストはおおざっぱな項目を示すものなので、あくまでも目安の一つとして考えてほしい」
と中経出版の編集担当者は語る。たしかにこれらの項目に該当したからといって、すぐに倒産するというわけではないだろう。だが、自分の中に「要注意フラグ」を立てるきっかけとしては活用できそうだ。