妻が学んで夫に伝える 「沖縄農家」の二人三脚

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「勉強会に参加して植物の気持ちがわかってきた」

「いつかは自分で農業をやりたい」というかなちゃん
「いつかは自分で農業をやりたい」というかなちゃん

   沖縄の農家さんはご夫婦で勉強会に参加するのが普通なのだろうか? そう疑問に思って三輪に聞いてみたら、「他の勉強会は、旦那だけが参加しているのが多いよ」という返事。たいていはご主人が勉強会に参加し、奥様に作業の指示をする。奥様は言われたことをただ作業するだけで、その意味や本質はわかってはない場合が多いと教えてくれた。

   でも三輪は、朝早くから畑を切り盛りしている奥様たちにも積極的に参加してもらいたくて、夫婦での参加を勧めている。実際の勉強会では、奥様のほうが「どうしたら儲かる農業が実現できるのか」と熱心に話を聞く。そして、自宅に帰るとご主人に伝えて実行に移しているのだ。

   ある奥様がこう言っていた。

「今までは主人が学んできたことを訳もわからず実行していました。でも三輪さんの勉強会に参加して植物の気持ちがわかってきたんです。三輪さんから考え方を学んだので、たとえ失敗しても天候や虫のせいにするのではなく、土や環境などからトータルで理由を理解できる。だから仕事をしていても、楽しいんです」

   もともと農業従事者の約半分は女性だといわれている。しかしそのほとんどは、農家の嫁として農業の世界に入ったというパターン。結婚した結果として、農家の経営者、従業員、家庭の管理と複数の役割を切り盛りすることになった女性が多いのだ。

   こんなふうにお嫁さんとして農業に従事することになった人がほとんどなのだが、例外的に、自ら進んで農業がしたいと志願している女性もいる。

   私が沖縄で知り合った25歳のかなちゃんは、大学の農学部を卒業して団体職員になった。三輪の勉強会に毎回参加してくれていて、農業は甘くないという現実も知っている。それでもいつかは農業がやりたいと考えている

   「仕方なくやらされている農業」ではなく、「自ら学んで楽しく仕事ができる農業」になれば、女性がもっとこの分野で活躍できるのかもしれない。

セレン社長秘書 大倉野あやか

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「食を通じて人を元気に。」を合言葉に、2008年10月1日設立。再現性のあるサスティナブルで「儲かる(=夢のもてる)農業」の実現を目指し、農業技術支援だけにとどまらず、人財教育、地域コミュニティの再構築など農業を通じて、日本各地の地方復興、就農者の増加のために現代農業の活性化に邁進している。
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