シュガー社員への「仕事の与え方」はタイプ別に変えよ

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5. 親が口出す「ヘリ親依存型」には特性にあった仕事を

   「ヘリ親依存型」で最も多いのが、「残業」に対する親からのクレームです。仕事ですから日によっては就業時間内に終わらないこともあるのですが、大企業出身で経済的に豊かな親が「うちの子に遅くまで仕事させるなんて、上司の指導力のない証拠だ!」などと、痛いところを突いてきます。

   このタイプは、仕事を一生懸命やるというよりは、名のある会社に所属して美味しいところだけ享受したいと考えているので、どんなに指導しても効果が上がりません。とはいえ、親のコネで入社しているケースなどは、上司の一存では解雇も難しいでしょう。

   この場合、親のクレームを本人に話して、その反応で本人のタイプが「正常」なのか、どのタイプの「シュガー社員」なのかを見極めた上で、特性に合った仕事を与え、必要があれば定時に上がってもらうしかありません。

   できない社員にできないことを無理に要求することは、必要以上に摩擦を生み、まともに働く社員のモチベーションを大きく下げることになります。消極的な意味で「適材適所」にならざるを得ません。

   これに併せて、賃金体系も見直しが必要です。十分な検討もなく、年功序列的な制度の運営を放置していては、危険が伴うことになります。「生活」と「労働」は切り離せないものではありますが、いつまでも同じ仕事しかできない社員を毎年昇給させていっては、会社は存続できないからです。

田北百樹子

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田北百樹子(たきた・ゆきこ)
札幌市出身。田北社会保険労務士事務所所長。保険関係の手続や就業規則作成にとどまらず、人事考課制度導入や社員教育など、企業の人事労務を幅広くサポートしている。「シュガー社員」の名付け親で、09年3月にはシリーズ第3弾となる『ブラック企業とシュガー社員』(ブックマン社)を刊行。
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