前回の<できコツ>では、ひとりでランチに行くことの効能を紹介しましたが、今回は、凡人はランチこそ「高級店」に行ってみよう、というご提案です。「この不景気に高級店?何を言っとるんだ!」と思われるかもしれませんが、私は不景気だからこそ、そうした方がいいのではないかと思います。
夜の一品分の金額で、昼間ならおなかいっぱい
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持ち物は黒かシルバーで揃えています。タイピンは、数少ない「男のアクセサリー」です(野崎)
会社に社員食堂がある場合や、手作りのお弁当を持参する場合は別にして、毎日のランチに何を食べるかということは、勤め人にとって大きな悩み事です。ランチの平均単価は700~800円位だそうで、1000円を超えると「高いなあ」と感じるのではないでしょうか。忙しいこともあって、コンビニ弁当や立ち食いそばで済ませる人も多いようです。
しかし私は、ランチこそ「高級店」を利用するべきだと思っています。以前、新宿の会社に勤務していたころは、週に1~2回、ホテルのレストランや高級焼肉店のランチを食べに行っていました。値段は1500円くらいしますが、その金額で夜は1品しか食べられません。だから夜は行かず(行けず)に、昼間に高級感を味わいに行くのです。
大衆的な店にしか行ったことがないと、いわゆる「高級なモノ」を見る目が養われません。高級店と大衆的な店を行き来することで、その違いが分かってくるようになります。たまには背伸びしてみると、良い刺激になります。行き慣れてくると「自分もこの場所にふさわしい人間になりたいな」と思うようになります。
特に、仕事がうまくいかない時や落ち込んだ時に、焦って簡単な食事で済ませてしまうと、余計にみすぼらしい気分になってしまいます。そういう時こそ、高級店で美味しいものを食べましょう。気分転換にはもってこいです。
店員の動きから高級店の「サービス」を学ぶ
私が昨年参加したあるセミナーでは、講師の方が「自分を向上させるためには、自分よりランクが上の場所に行ってみるとよい。新たなビジョンが生まれ、気づきを得ることができる」とおっしゃっていました。普段とは違う行動をすることで、自分に変化を招き入れることができるのです。
私は店に入ると、まず店員の動きやサービスを見るようにしています。高級店はサービスが行き届いていることが多いので、勉強になります。どんな仕事でも、サービス精神は大事です。凡人は能力が並ですから、サービス精神を身につけることは必須だと思います。
中には、高いだけでサービスの悪い店もあります。そういう時は、職業柄「職場の人間関係が悪いのかな」「店長の指導が行き届いていないのかな」とか考えながら、その様子を観察していました。
ひとりでランチに行っていると、周囲から「いつもどこで食べてるの?」と聞かれることがあります。そのときにはさりげなく、とっておきの高級店を教えてあげましょう。(ただ、夜の相場を調べておく必要がありますし、あまりに高すぎる店では逆効果です。)
これであなたは、美味しい料理を食べ、サービスの勉強ができて、周囲に「いいお店を知っている人」というイメージを与えることができます。こう考えたら、1500円は安いものです。
野崎大輔