独立すると「口座に振り込まれるお金」の意味がかわる
仮に、独立前の給料の手取り額が30万円だとしよう。銀行口座に毎月振り込まれる30万円は、すべて自由に使えるお金になる。では、独立するとどうなるか。
同じ金額30万円が口座に振り込まれても、これは「売上」にすぎない。サラリーマン時代と同じ感覚で使っていったら、赤字になってしまう。売上には経費が含まれているからだ。個人事業の場合は、売上から経費を引いた残り、つまり「利益」が事業主の所得になる。会社から独立すると、その利益から税金や保険を支払うことになる。その金額は利益の約40%にもなるため、独立前の生活レベルを維持しようとすると、少なくとも独立前の手取り額の2倍以上の売上が必要だ。
このように、自分が望む利益を確保するには、いくら経費がかかり、いくら売上をあげたらよいのか。そのためにはどういう企業や顧客と取引し、どういう仕事をしていったらよいのか、というふうに具体的にシミュレーションしておかなければいけない。つまり、利益計画や売上計画を練ることが重要なのである。
たとえフリーや1人ビジネスであっても、事業をスタートさせる前には、事業プランやビジネスモデルの組み立てをやっておきたい。この作業をすることで、給料をもらう立場から事業主へ意識が切り換わり、「利益を生み出す力」を養成することができる。