「派遣切り」が進み、派遣社員の不安定さがクローズアップされるなか、正社員化をのぞむ人が増えています。では、IT企業の派遣社員と新聞販売店の正社員のどちらがいいのか。そんな悩みがQ&Aサイト「教えて!goo」に掲載されました。
「IT契約社員と新聞店正社員なら」
新聞販売店から正社員の誘いをうけた
34歳の男性というgetstar24さんはダブルワーカー。早朝は新聞配達をして、その後IT企業で派遣社員として働く日々を送っています。最近になって新聞販売店から「正社員として働かないか?」と声を掛けられるようになりました。
提示された条件は
・額面25万円の収入
・営業で+αを稼ぐ事ができる
・週休2日制
というものでしたが、getstar24さんは即座に返答することができませんでした。
「現在、アルバイトとして配達をしているのは楽しいです。しかし、正社員として新聞店で働いた事がなく、実情が分からないのでまよっています」
ちなみに、IT企業での派遣社員としての月収は22万円ほど。業務としては簡単なシステム開発、サポートデスクを担当しています。また、新聞配達でのアルバイト収入は月に7万8千円ほど。つまり合わせて約30万円なので、新聞販売の営業を頑張れば、現状より稼げる可能性があります。
しかし、新聞店で正社員として働くことに不安が残るgetstar24さんはQ&Aサイトで質問しました。
「皆さんなら現状維持か、新聞店に就職するか?もっと他の道を探すか? ご意見頂きたいです」
「正社員のほうが将来的に考えれば安心」
この質問に対して、「新聞店の正社員のほうが安定していてよい」というのは、cactus48さん。昨今の不況を背景にした「派遣切り」問題をひきあいに出しつつ、次のようにアドバイスしています。
「あなたも派遣社員の一人のようですが、あなたも解雇を通達される可能性も無いとは言えないと思いますが、どうでしょうか。もし可能性があるなら、新聞販売店の好意に甘えて正社員として雇って貰った方が将来的に考えれば安心と思いますよ」
同様に、安定性から新聞販売店の正社員を薦める900s2さんは次のようなコメントを寄せました。
「以前、私が購読していた新聞販売店勤務の方とお話したら、既婚で子供も何人かいて、さらに逆輸入バイクも所有しておられたようで、実情は判りませんが、生活は苦しくなさそうに感じました。但し、かなり忙しそうでした」
新聞販売店を勧められない理由
一方、「新聞販売店はお勧めできません」という声もあります(buchichiさん)。
「新聞の購読者が減っている以上これ以上成長するとは思えない。現在は、配達だけだと思いますが、営業(これは拡張ですよね)は、それ専門の拡張団がいる位なので楽ではない。昔みたいに洗剤とビール券をあげるから3ヶ月お願いしますと言って契約を取れる物では無いと思います。自分も朝夕刊を入れてもらっていますが、今、何を削るかと言えば新聞代でしょう」
ただ、IT企業での仕事も派遣である以上いつ切られるか分からないということで、
「他に、道があるなら其方をお勧めします」
と回答しています。
構造不況業種といわれる新聞販売店の正社員か、ITという成長産業ではあるが不安定な派遣社員か。非常に難しい選択といえるのでしょう。34歳という年齢からすれば、buchichiさんが言うように、「第3の道」を模索するのが賢明かもしれません。