職場で「2ちゃんねる」見てる人たちの実態

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   2ちゃんねるの話題が相次ぎました。

   年末には、調査会社ネットレイティングスが、1カ月の間にユーザーが2ちゃんねるを利用した総時間のうち3割は職場からのアクセスだった、と発表。これを受けてネットメディアでは、おおよそ270万人ぐらいが職場から2ちゃんねるを見ている計算になる、と推計されていました。

   年初には、管理人の西村博之さんが自身のブログで「2ちゃんねるを海外企業に譲渡した」と明らかにし、ネット界のみならず、一般にも衝撃を与えました。

   では、2ちゃんねるは職場でどのような利用のされ方、閲覧のされ方をしているのでしょう?

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新製品の評判を知るため、2ちゃんにアクセス

「フツーに2ちゃんねるを職場から見ていますよ」

と言うのは、広告会社の30代の社員。

「新製品やキャンペーンの評価、評判を知るひとつの手段。悪い書かれ方も、それはそれとして参考になりますからね。対抗製品やライバル社の動向が図らずもわかったこともありました」

   以前の経験を教えてくれたのは、メーカー勤務の20代社員。

「2年ほど前までスタッフ部門にいたのですが、人事や広報といったセクションでは、ときどき2ちゃんねるを見ていましたね」

   やはり、内部で自社の評判や他社動向を知る参考としていたそうです。

「でも、営業部門など外に出て行く部署では、忙しくてとても2ちゃんねるどころじゃないですよ!」

「2ちゃんアクセス禁止」の会社もあるが……

   あるメディア企業では、2ちゃんねるにはアクセスできないような措置がとられていました。

「トラップにかかって、大手メディア企業から見ていたことがバレちゃったケースが数年前にあったじゃないですか。あれ以来、社員のアカウントからはアクセスできないようになっています」

   事件などでどうしても2ちゃんねるを見る必要があるときは、外部の協力先やアルバイトに依頼するのだとか。

   サンプルは少ないですが、さすがに職場からだけあって、いずれにせよ、楽しみのためではなく業務の一環として見ているようです。

   業務と言えば、風評被害の防止のためなど、業として2ちゃんねるのスレッド監視などを引き受けている会社でも、職場からアクセスすることがあるのでしょうね。

   そんな彼ら彼女たちも、プライベートでは2ちゃんねるに書き込むこともあるといいます。2ちゃんねるが西村さんの手を離れて海外企業に渡って心配なのが、書き込みのルールや運営方針が今後どうなるのか、ということ。

   そればかりは、成り行きを見守るしか手はないと思われ、、、。

井上トシユキ

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井上トシユキ
1964年、京都市出身。同志社大学文学部卒業(1989)。会社員を経て、1998年よりジャーナリスト、ライター。TBSラジオ「アクセス」 毎週木曜担当。著書は「カネと野望のインターネット10年史 IT革命の裏を紐解く」(扶桑社刊)「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文芸春秋社 刊)など。
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