「みんな、こっそりやっている」
「試しに朝食セミナーに行ってみたら、スーツを着た若いビジネスパーソンがびっしりいてビックリしました」
そう話すのは、エンジニア向けのWebマガジン「エンジニアLive」の吉原まさる編集長だ。
「みんな真剣にノートを取っている。いま流行のマインドマップみたいなノートをかいている人もいました。うちの会社にはこんなアクティブな人たちはいないなぁと感じたんですが、参加者の一人と名刺交換をしたら『あれ?同じ会社の人も参加していますよ』と言われました。『みんな、こっそりやっているんだな』と驚きましたね」
早朝から盛況なのは、勉強会だけではない。都心のスポーツジムは出社前にトレーニングをして汗を流す30代、40代のビジネスパーソンでにぎわっている。オフィス街や駅構内にあるカフェも、資格試験や語学の勉強をする人たちでいっぱいだ。多くのサラリーマンが朝の時間を活用して「自己投資」に励んでいるのだ。
吉原さんによれば、このような現象は3年ほど前から目立ってきたが、ここ1、2年は「ブームといえる状況」だという。
「特に熱心なのが20~30代のサラリーマン。バブル崩壊以降の不況期に育ち、終身雇用制が崩れていることを最初から知っている世代です。大企業に入ることができたとしてもダラダラしないで、自分の力を磨いているのです。勝間和代さんの自己啓発本があれだけ売れるのも、そういう人たちが多いからでしょう」