消費者の「安全・安心」への関心が年々高まっている。伝統あるブランド企業でも欠陥製品隠しが判明すれば、企業の存続すら脅かされかねない状況だ。そんな時代の流れを受け、欠陥製品に関する「リコール」情報を一元的に集約して提供する「リコールプラス」というサイトが登場。企業と消費者をつなぐリコール情報サイトとして注目を集めている。
散在するリコール情報を収集し、分類して提供
リコール情報は「食品」「自動車・バイク」「医薬品・医療機器」などの各分野ごとに整理されている
「リコール」とは、製品に欠陥があるとき、企業がその旨を公表して、製品の回収・修理・交換・返金などの措置を無償で行うこと。リコール情報は、経済産業省や国土交通省、厚生労働省、国民生活センターなどのウェブサイトで公表されている。
しかし、情報は省庁の管轄ごとに収集・提供されており、消費者が横断的に検索することができない。また、企業は法令に抵触していなくても自主的に製品を回収することもあるが、そのような情報は各社のウェブサイトでしか確認できず、散在していた。
「リコールプラス」はこのようなリコール情報を集約し、運営担当者が確認をした上で記事にしてデータベースに格納している。企業や管轄省庁の連絡先が明確なので、問い合わせがしやすい。関連キーワードによるGoogleの検索結果も表示され、たとえば「中国・韓国産あさり 不適正表示」のニュースへもリンクされている。
リコール情報がメール配信される無料サービスも
ハロゲンヒーターの回収・返金は16件
サイトは2008年6月に開設した。08年12月には月間150万PV以上を集めるまでになり、消費者、企業双方の関心の高さがうかがえる。登録されたリコール情報は7800件、2180社に上る。「食品」「自動車・バイク」「医薬品・医療機器」などのカテゴリや、「回収」「修理」「返金」など対応の種類でも検索できる。
ケータイサイトは、auおよびSoftBankで公式サイトになっている(docomoは申請中)。無料会員になると、登録した商品名に該当するリコール情報や、メールマガジン「今週のリコール情報」などが配信される。企業向けの有料サービスでは「優先での情報掲載」「映像による情報の掲載」「改善情報の掲載」などが可能だ。
サイトを運営しているディー・ウォーク・クリエイションは、
「企業不祥事には、とにかく迅速かつ正直な対応が必要だ。適切な開示は、CSR(企業の社会的責任)活動の重要な要素となっている。リコール情報を周知したい企業と注視したい消費者をつなぐ“ナレッジポータルサイト”となることを目指したい」
と話している。