円高や金融不安を受け、景気が一気に悪化しているが、その影響はサラリーマンのボーナスにも及んでいる。マーケティングリサーチ会社のインテージが2008年12月15日に発表した「冬のボーナス事情調査」によれば、昨年よりも「ボーナスが減った」人が3割にのぼることが明らかになった。
ボーナス支給者の3割が「去年より減った」
調査はインターネットを通じて、20~50代の男女2400人に対して実施された。それによると、冬のボーナスを支給される(された)人は58.6%だった。
そのうち、昨年に比べてボーナスが「増えた」と答えた人が14%だったのに対して、「減った」という人は31.1%。「減った」人の数が、「増えた」人の2倍以上となる結果が出た。もっとも、「変わらない」という人が49.8%と約半数だったので、景気悪化の影響はまだサラリーマン全体に及んでいるわけではない、という見方もできそうだ。
一方、ボーナスが減った理由は、「会社(所属組織)の業績が悪かったため」が69%で1位、「世間の不況に合わせて」が34.0%で2位だった。ボーナスを減らされた人には、景気悪化が大きな影を落としていることが明らかになった。
ボーナスが減った人はどう対応するのか? 年末・年始のイベントに何か影響することがあるかという質問に対しては、
「クリスマスケーキを小さいものにする」(30代女性)
「帰省するときお土産を持たないで帰る」(40代男性)
「新幹線ではなく、時間がかかっても高速バスを使う」(20代女性)
「お年玉を必要とする所にいかない」(30代女性)
といった回答が寄せられた。企業の業績が悪化して、働く人たちの所得が減り、その結果として消費が縮小する。日本経済は不況の悪循環に陥りつつあるようだ。