子供のしつけは「万事塞翁が馬」
まさか、自分のメールをチェックされているとは夢にも思わない子供は、仲良しの友達と見たと、あっさり白状しました。学校は違うのですが、住んでいるところが近く、家族ぐるみで仲良くしている友達です。
よく聞けば、ただの無料アダルト画像サイトだったのですが、お灸をすえてやろうと思っていたE子さんは、
「昨日、その業者に4万8000円を払っておいたから。あなたと二人、苦しい家計のなかで4万8000円の出費が、どれほどお母さんの負担になるかわかってるの!」
きつく叱ると、子供はすすんで「もう二度としない、誓います」と謝ってきました。その日の昼休み、E子さんは友達のお母さんに電話をかけ、
「アダルトサイトの架空請求がありましたが、これを機会に躾けようと思うので、そちらのお子さんのほうで話題になることがあったら、本物の請求で、本当に支払ったということにしておいてください」
と頼みました。すると友達のお母さんも、
「じゃあ、ウチも相乗りしていいかしら? ○○ちゃんのお母さんが代わりに払ってくれたって、主人と一緒にお灸をすえてやるわ」
E子さんは言います。
「子供の躾けなんて、万事塞翁が馬みたいなことが多いんですよ。このケースでは、小さなトラブルを予防ワクチンのように使えたのですが、中学生になると子供も知恵をつけてくるから、そう簡単にはいかないでしょう。これからは、ネットや社会の現実をきちんと正面から教えていくことが、大きなトラブルに巻き込まれないための杖となると思います」
井上トシユキ