常に成果を求められるビジネスパーソンほど、トレーニングに時間とお金を掛けている。そう語るのは、有名フィットネスクラブで経営者や金融マン、クリエイターなどを個人指導した経験を持つトレーナーの山本ケイイチ氏だ。『仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか』(幻冬舎新書)の中で、その理由を次のように書いている。
「どん底」の時期を経験しているから成長する
成功者に共通するメンタリティとして、最後に挙げたいのは「打たれ強さ」だ。
私が接してきた成功者のほとんどは、過去に一度ならず、どん底の時期を経験している。事業に失敗して多額の負債を背負ったり、信頼していたスタッフに裏切られたり。どんな成功者でも打ちのめされるときはある。しかし、彼らはそこからの回復の過程で、より強い精神力の持ち主へ成長できる人たちなのだ。
だから彼らは批判や孤独にも耐性がある。日本では、新しいことをやろうと思えば、
「どうせ失敗するに決まっている」
「うまくいくはずがない」
と批判されて足を引っ張られるのが常だ。しかし彼らはそういった人々の無責任な発言に耐え、決断をくだすだけの精神力を持っている。
人間の筋肉もまったく同じだ。トレーニングでは、わざと痛く、辛く、苦しいことをする。筋肉はいったん傷つかないと再生しないからだ。その再生の過程で、傷つく前よりも強い筋肉が育っていく。……
「自らの意志で、自らに辛いことを課す」
これは精神にも筋肉にも共通する、普遍の成長原理なのである。
(山本ケイイチ『仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか』〔幻冬舎新書、212~214頁〕より)
(会社ウォッチ編集者Uのひとこと)
みんなが歩く道を歩いていれば、大きな失敗にはならない。リスクをとって新しい道を拓けば、失敗もするし傷つきもする。勝負は時の運。結果は気にしすぎるな。「経験値」を上げるつもりで、逃げずに頑張っていれば「筋肉」も付くというものだ。