上司の「お説教」最大15万円の価値あり(石渡嶺司)

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   転職を勧める広告は多い。電車の中でもテレビでも転職の広告を見ない日はない。それに輪をかけるように、転職を勧めるビジネス書が巷にはあふれている。

   「でも」と警鐘を鳴らすのは、大ヒット中の新書『就活のバカヤロー』を書いた石渡嶺司。転職は損をすることの方が多いと、『転職は1億円損をする』の中で語っている。たとえば、上司の説教を理由に転職を考えている人はそのお説教の値打ちに気づいていない、と次のように記している。

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上司や先輩社員のお説教は貴重なアドバイス

「転職すると損をする」のは転職ビジネス関係者の常識だ、と石渡嶺司は説く
「転職すると損をする」のは転職ビジネス関係者の常識だ、と石渡嶺司は説く
   口うるさい上司や先輩社員の存在こそ、転職の理由とする人も多い。お説教など嫌で嫌でしょうがない、と考えがちだ。

   しかし、見方を考えれば、上司や先輩社員のお説教は、貴重なアドバイスでもある。『週刊SPA!』(扶桑社)2008年6月17日号「『ビミョーな業務』を時給換算してみた!」によると、上司のお説教は5万円-15万円だそうだ。これはプロの人材コンサルタントに依頼したことを想定しての金額。記事には、取材に応じた人材コンサルタントの説明が掲載されている。
   弊社の場合、その人が指導後に会社で活躍できれば、成功報酬として平均300万円貰っています。すぐに結果が出るものではないので、年間週1回ペースで出張して面談すると考え、大体時給5万円前後でしょうか。
   試算は人材コンサルタントを利用した場合の5万円-15万円に限ったことではない。
   その上司の推定年収・推定時給からお説教・アドバイスに使った時間を換算する方法もある。

   サラリーマン・役職者の時給はざっくりしたところで3000円から1万円と言ったところである。

   お説教され、やかましいと思えば価値はない。しかし、アドバイスを上司という名のコンサルタントから受けていると思えばどうだろうか。上司の時給を3000円-1万円ないしは5万円-15万円の価値を貰っていることになる。

石渡嶺司『転職は一億円損をする』〔角川oneテーマ21 68~69頁〕より)

   ※編集部注:実際の書籍は縦書きのため漢数字を使用していますが、読みやすさを考慮して算用数字に改めました。

(会社ウォッチ編集者Sのひとこと)
『エンゼルバンク』(三田紀房)、『若者はなぜ3年で辞めるのか?』(城繁幸)など、転職に関連する書籍の簡単な解説が欄外に付いているのが◎。この本を入り口に関連書籍をあたってみると、きっと知識が深まる……はず。道具としても使える一冊。

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