日本で働く外国人が日本人の部下に求めるのは、協調性よりも、リスクを恐れない姿勢。そのような外国人上司の意識が、外資系企業への転職支援サイト「キャリアクロス」を運営するシー・シー・コンサルティングの調査で明らかになった。
日本人部下への不満「他人との衝突を恐れる」
調査は2008年11月5日から12日まで、インターネットを使って日本在住の外国人542人に聞いた。
それによると、日本人部下について、一緒に「働きやすい」または「やや働きやすい」と答えた外国人上司が全体の82.6%にのぼり、日本人の仕事ぶりを肯定的に評価していることが分かった。
しかし、不満がないわけではない。「日本人の部下と仕事していて苦労するところ」として、「他人との衝突を恐れる」(13.8%)や「リスクを避ける」(12.4%)、「変化への対応力がない」(12.2%)、「創造力に欠ける」(10.6%)などといった回答が上位を占めた。
また、このような不満と呼応するように、「部下を受け入れる際に重視する点」については、「リスクを恐れない」が10.9%でトップになった。2位以下には、「創造性がある」(9.4%)や「変化への順応性」(9.4%)といった項目が続き、日本の企業で重視される「協調性」(6.3%)を上回る結果となった。
外資系企業だからこそ「開拓者精神」が要求される
このような結果について、シー・シー・コンサルティングは、
「日本人のビジネスパーソンがグローバルに活躍するためには、語学力以外に、日本人が従来苦手としてきた『変化を受け入れ』、『周囲との衝突も恐れず』、『新たなものを発想する』力が重要であることがわかった」
としている。
また、米国系のコンサルティング会社で働いた経験をもつ30代の男性は、
「たしかに自分が働いていた会社でも、チャレンジングとかクリエイティブといった要素が重視されていた。ただ、そのような風潮は日本に進出してくるような“アグレッシブな企業”だからこそ、ともいえる。日本に昔からある会社とちがって、外資系企業の多くは異国の地で新しい領域を開拓していかなければいけない。その意味で、リスクを恐れない“開拓者精神”をもった人材が求められているといえるのではないか」
と話している。