私用パソコンでウイルス感染「でも、かえってよかった」

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トラブルの原因は「中学3年生の息子」に……

   その日、帰宅すると、妻と深刻な顔をした中学3年生の長男が居間で待っていました。問いただすと、事情は次のようなものでした。

   居間にあるデスクトップは、そもそも長男がパソコンとネットに興味を示したため買い与えたものです。でも、居間にあること、起動時の作動音がすることなどから、パソコンを使っていることは母親や兄弟にわかってしまいます。そのため、後ろめたいことといっ てもせいぜいが某巨大掲示板を見るぐらいで、違法なファイルのダウンロードやエッチなサイトを訪問するといった使い方はできません。

   そこへ、日曜日、たまたまスリープ状態のままネットに接続してある父親のノートパソコンを居間で見つけたのです。これ幸いと海外のP2P(ピア・トゥ・ピア)ファイル交換ネットワークへアクセスしました。

   目的は、学校の友人の間で話題になっていた日本では未公開の映画のファイルをダウンロードすること。友達に自慢したかった、というわけです。

   ところが、この映画のファイルにトロイの木馬型のマイナーなウイルスがついており、ノートパソコンにインストールされていたウイルス検知ソフトの網をかいくぐって感染してしまったのでした。

井上トシユキ
1964年、京都市出身。同志社大学文学部卒業(1989)。会社員を経て、1998年よりジャーナリスト、ライター。TBSラジオ「アクセス」 毎週木曜担当。著書は「カネと野望のインターネット10年史 IT革命の裏を紐解く」(扶桑社刊)「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文芸春秋社 刊)など。
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