資格は取得したものの、20社以上から「不採用」
しかし、いざ就職活動をしてみると、そんな甘い考えは木っ端微塵に砕かれました。「合格率8.7%の国家試験に受かったんだから、就職なんて楽勝だ!」と自信満々で履歴書を20社以上に送ったのに、すべての会社から「不採用」にされてしまったのです。
資格があっても、実務経験がなければ採用される可能性は低かったのです。その後、秋まで粘って、なんとかある会社に中途採用の形で拾ってもらいました。それでもこのときは、仕事に対するスタンスがはっきり定まっているとはいえませんでした。
結局、1年ほどで退職し、フリーター生活に逆戻り。その後、小規模の士業事務所勤めなどを転々とし、無職で失業保険をもらう時期もありました。わずか3年で3回の転職をした末に、あらためて「経験を積むなら企業の人事が一番だろう」と考えました。
再び就職活動。上場企業の求人に応募して、運よく人事部で採用されました。しかし、それまでまともな会社勤めや実務経験があったわけではありません。せっかく入った会社なのに、このままでは「できないヤツ」と思われて仕事を干されてしまう、という恐怖感に襲われました。
会社の中で生き残るためには、自分で工夫して行動するしかありません。さんざん頭をひねった結果、ひとつの結論に至りました。
「会社で快適に仕事をするためには、周囲に『できるヤツ』と思わせることが大切だ」。