能力の高い人にはバラ色の世界だが、劣勢に回ると大変
このようなコメントについてどう思うのか。いま外資系で働いている人に直接、聞いてみました。ヨーロッパ系の製薬メーカーに勤める外山光一さん(35歳、仮名)は、
「外資系でも、ヨーロッパ系の会社はアメリカ系よりもマイルドといえます。たとえば、うちの場合は解雇というのはあまりなくて、能力のない人には退職金と1年分の年収を払って早期退職してもらうというのが多いですね」
と話しています。ただ、日系の企業と違って、能力に対する評価がダイレクトに給料に反映されるので、評価の低い人は自分から辞めていく傾向が強く、日本の会社でおなじみの「窓際族」はいないようです。
また外資系企業で働く日本人は「自分を高く売っていこう」と考えている人が多く、終身雇用的なものは会社に期待していないとのこと。外山さんも、
「いまの会社にずっといようという気は全くありません。条件がよいところがあれば、移っていくのが当たり前ですから。僕以外の社員も、このまま居続けようと考えている人は皆無なんじゃないかな」
と語っていました。一方、アメリカ系の保険会社で働く田辺祐晟(ゆうせい)さん(39歳)は、外資系企業で働くことの問題点を指摘します。
「外資系の企業は成果報酬型のところが多い。大手の保険会社では、何億も稼いでいる社員もいれば、最低賃金クラスの人もいる。合理主義が徹底しているシビアな世界なので、能力が高い人間や仕事がうまく回転している人にはバラ色の世界ですが、健康を害したりして劣勢に回ると、とても大変です」
日系の会社のような"温情"はまったく期待できないそうです。やはり外資系の企業で働くには、それなりの覚悟が必要なようですね。あなたは外資系企業で働いてみたいですか?
J-CAST会社ウォッチ編集部