社内恋愛を隠すのを助けてくれた「女子グループ」
「泣きながら話しているんだけど、どこか冷めていて計算しているところがあったと思います(笑)。『たぶん演技が入ってるんだろうな』と思える冷静さがありました。前の彼氏にふられて、『もうこっちにいくしかない』という感じだったんでしょうね(笑)」
ふられ話をしながら、「私、かわいそうだから、遊んでよね」と軽く誘いをかけてみる。「いま思えば、一つの賭けだった」と振り返る陽子さんだが、ちょうど俊介さんも彼女がいなかったので、自然と二人で海に遊びに行ったりするようになった。はっきりした告白があったわけではないが、いつのまにか交際が"既成事実"になっていた。
交際が始まっても、上司や同僚にはあいかわらず「短大からつきあっているカレがいる」と言い続けて、俊介さんとのことは隠していた。社内恋愛を公表してもメリットなどほとんどないのだから当然だ。
しかし、社内の仲のよい女友達には逐一報告。すごく信頼のできる女子グループで、そこからは秘密が絶対にもれないという自信があったからだ。それだけではない。何か問題が起きそうになると、友達が助けてくれた。
「私たちも一回、街を歩いているときに会社の人に見られたことがあったんですよ。でも、グループのメンバーが『そのときは離れたところに私たちもいたんだよ』とアリバイ証言をしてくれて、バレずにすみました」