「いまどきの若手はホメて使え!」 西武・渡辺監督にみる「育成術」

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ポスト星野の「理想の上司」は渡辺監督か

    プロ野球の監督といえば、「理想の上司」アンケートで8年連続トップを取った星野仙一氏だ。いまではすっかり株を落とした星野氏は、典型的な親分タイプ。結果が出なければ怒鳴り、ベンチを蹴り、時に鉄拳制裁を加える。どうやら、そんな時代は終わったようだ。

    石田氏はこれからの上司は「プレーヤー意識を捨てて“プロ上司”となるべきだ」と説く。

「名選手が名監督になるとは限りません。確かに過去の実績は説得力となり、やって見せることでお手本を示すことはできます。でも多くの人にとって、天才の結果を再現することは困難です。上司になったら、社内で転職するつもりで頭を切り替えて、体系的なマネジメントのスキルを身に付け、臨機応変に使い分けることが必要です」

    かつて常勝・西武のエースだった渡辺監督は、現役生活の最後を台湾で終えている。どうやら、その間に、

「感性でやっていた野球を、考えるようになった」(NNA.ASIA、08年10月2日)

という転換期があったらしい。

    日本シリーズでは、前半戦で不調だった西武・中村選手が第4戦で2打席連続ホームランを打ち、チームを勝利に導いた。第2戦の第1打席でショートフライに倒れた中村選手に、渡辺監督は

「いいんだ。気にしないで行け」(iza、08年11月5日)

と、いつものように声をかけたという。

    さて、大詰めを迎えた2008年のプロ野球。「のびのびプレー」の渡辺西武は日本一になることができるだろうか。結果次第では、来年の「理想の上司」に渡辺監督の名前が挙がっているかもしれない。

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