「非正社員クビ切り」 輸出関連企業で広がる

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   米国の金融危機に端を発する株安や円高の影響を受け、自動車や電子機器など「輸出型製造業」の企業で、派遣やアルバイトなど非正社員の「再契約停止」が広がっていることが厚生労働省の調査で明らかになった。

正社員よりも非正社員で「雇用調整」

   厚労省は2008年10月初旬から中旬にかけて、ハローワークを通じて従業員300人未満の中小企業4285社にヒアリング調査を実施した。その結果によると、8割の事業所が「経済情勢の変動が収益を圧迫している」と回答。そのうちの2割が「賃金調整または雇用調整」を実施していると答えた。

   「賃金調整または雇用調整」の内訳は、「賃金調整(ボーナスの切り下げなど)(55.6%)」や残業規制(45.2%)」などがメーンとなっているが、人員削減をしている企業もある。人員削減は非正社員で顕著。「希望退職者の募集(3.4%)」や「解雇(4.4%)」といった「正社員減らし」に動いた企業が少ない一方で、「派遣などの再契約停止」を実施した企業は23.4%にのぼった。

   特に米国の景気や円高の影響を受けやすい輸出型製造業ではその比率が高く、「賃金調整または雇用調整」をしている中小企業の43.6%が「派遣などの再契約停止」を実施していることが分かった。

   大手ではトヨタ自動車が2008年9月末までの半年間で期間従業員を約2割削減するなど雇用調整が進んでいるが、その下請けや孫請けにあたる中小企業でも"雇用の調整弁"ともいわれる「非正社員切り」が広がっていることが鮮明になった。

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