間違いのたびにPCデータを「修正」しなくてはいけない
ところが、トラブルはすぐにやってきました。
A社の工場は3交代のシフトで稼働していました。一度に300人ほどが出入りするのですが、各シフトで働く人たちが工場に来る時間はほとんど同じでも、仕事を終えた人たちが帰るタイミングはバラバラです。
実は、これまでにもよくあったことではあるのですが、タイムレコーダについている「出勤」と「退勤」のボタンを切り替えず、間違えたままで打刻してしまうケースが後を絶たなかったのです。特に、帰りの人たちが、ボタンが「出勤」の位置にあるままで「退勤」の打刻をしてしまうことが頻発しました。
これまでなら、ガードマンのところに常備されていたホワイトで塗りつぶし、「出勤」と「退勤」のボタンを正しく切り替えて打ち直すだけですみました。
しかし、システム化されてしまっているため、間違いが起こるたびに管理部門の部屋にあるPCのデータを修正しなくてはなりません。それでも昼間なら、内線で連絡して修正を依頼すれば、手間がかかるとはいえ、社内だけでなんとかなります。
困るのは日付が変わる深夜の時間帯です。
ガードマンは警備の業務しかしてくれませんから、いちいち管理会社に自分で連絡しなくてはなりません。当該企業の社員であるとの認証を受け、すでに集計が始まっている前日データを呼び出してもらい、修正してもらうのに軽く20~30分はかかってしまいます。
出勤の人が打ち間違えてしまい、工場の仕事そのものが回らなくなることさえありました。