タバコを吸う人が減り続け、禁煙・分煙にする会社が増えています。分煙の場合、タバコ室を設置する会社が多いようですが、そこを掃除するのは誰でしょうか? タバコを吸わない事務員が日本最大級のQ&Aサイト「OKWave」にこんな疑問を投げかけました。
「タバコ室を利用しない私がなぜ掃除をしないといけないのでしょうか?」
喫煙者が汚した部屋をきれいにする毎日
この事務員(ololololさん)はタバコを吸わないために、自分では利用しないタバコ室(=喫煙者のための休憩室)の掃除をしなかったところ、こっぴどく叱られました。それ以来ずっと掃除をしているそうですが、喫煙者のマナーがひどくて困っています。
「タバコを吸う人たちは、その部屋を利用しているのに、ゴミ箱が山積みになっててもほったからしで、床を汚した人もそのままほったらかしで、私がそれをきれいに掃除しています。時々クレンザーで床を磨いたり、年末には一人で壁をきれいに拭いたりしています」
しかし考えてみれば、この事務員さんがタバコ室を使うことは一切ありません。そこで、次のような疑問が生じてきました。
「タバコ室を利用しない私がなぜ掃除をしないといけないのでしょうか? タバコを吸う人たちが気持ちよくタバコ室を利用できるようにするためですか?」
いくら仕事とはいえ、タバコを吸わない人が吸う人のために掃除してあげるのは不公平ではないか。そう感じたのです。
「仕事なら、自分が使う使わないは関係ない」
こんな質問に対して、「仕事である以上、タバコを吸う吸わないは関係ない」という意見がいくつかありました。
「掃除が『仕事』に含まれるのなら 自分が使う使わないは全く関係ないでしょ?」(SAYKAさん)
「掃除があなたの仕事のひとつとされているなら自分が使う場所だろうが、使わない場所だろうが等しく『仕事』です」(dexiさん)
分かりやすい回答ではありますが、これは「なぜ人を殺してはいけないのか」という疑問に「法律で禁止されているから」と答えるようなもの。
「タバコを吸わないのに、なぜタバコ室の掃除をしなくてはいけないのか」「どうしてタバコ室の掃除が自分の仕事とされるのか」というololololさんの疑問に、真正面から答えた回答とはいえないでしょう。
そこで、もう少していねいに答えてくれる人が現れました。
「これが喫煙室だからそのように感じるのでしょうが、例えば1階にあるお店だと、店舗前を掃除しますよね。その時見知らぬ人が捨てたタバコの吸い殻や、ゴミなども片付けなくてはいけないですよね。ようするにそういう事だと思うのですが。どうでしょうか?」 (guguku2さん)
「社外」である店舗前を掃除するのと「社内」のタバコ室をきれいにするのを同じように考えられるかどうか。判断が難しいところといえそうです。
「平等じゃないのが世の中」なのか?
一方で、喫煙室の掃除は喫煙室を使う人が担当するというのが「合理的な発想」だと言う人もいます(noname#65031さん)。「自分で掃除すると思えば汚さないように気をつける」というのが、その理由です。
ただ残念ながら、この事務員さんの会社にはそのような「合理的な発想」が定着していないと指摘して、noname#65031さんは次のように「この世の現実」を説くのです。
「掃除に限らず、お茶汲みやコピーにしても、平等じゃないことは他にもあると、平等じゃないのが世の中だと認めてやってください」
しかし、社会の矛盾が許せない人はどこにでもいるもので、次のような提案をした人もいました(gn_driveさん)。
「僕も理不尽に感じましたので、会社の安全衛生委員会や組合に訴え続けたら、2年位かかりましたが、喫煙者にて処理するように変わりました。何か訴えたほうがよいと思います」
この言葉でさぞかし勇気づけられたことだろうと思ったら、そうでもないようです。事務員ololololさんは、この回答に次のようなコメントを返しました。
「そういったものはわが社は零細なのでありません。別に訴えたいとまでは考えておりません。すごい勇気のある方ですね」