シュガー社員の「私生活」が職場を侵食する

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「やることはやっている」というほどデキない

    私生活延長型シュガー社員。本当になりたいものはミュージシャンや漫画家、お嫁さんなど。だから「今の姿は一時的なもの」と割り切り、仕事に真剣に向き合おうとはしません。仕事のヒントになる本を読むこともなく「仕事はプライベートのため」と公言しています。

    プライベートは、誰でも大事です。問題なのは、仕事に私生活を持ち込んで業務を混乱させること。社会人としての意識が希薄で、遅刻や欠勤が目立つのも特徴ですが、それを注意すると「事前に連絡しています」と反論し、自分がいない場合の影響を考えません。「やることはちゃんとやっています」が口グセですが、周囲から見れば、自分で言うほどデキていません。

    一方で、仕事は半人前でも自分の権利には強い執着心を持っています。休日に緊急の確認電話をかけようものなら「お話した時間分の割増賃金、払って下さい」と突っかかったりします。就業時間中に私用メールを送る自分のことは棚に上げて、ずいぶんシビアなことを言うので思わずひっくり返りそうになります。

    このタイプの対処法は、まずは会社の基幹業務につけないこと。定時の出勤や残業がアテにできないので、単純労務をさせる以外に方法がありません。また、彼らの価値観は職場の常識とは違います。就業規則に「茶髪は禁止」と書いてあっても「自分は茶髪ではありません」と反論されれば終わりです。守らせようと思えば、髪の色見本などを置いて、違反したらその日の勤務につけさせないくらいの気構えが必要です。

    入社後に「聞いてないよ~」と言われないためにも、企業としてどうしてもNGということは、採用前に細かく伝えておくべきでしょう。最初にハードルを下げて入社させ、後から上げても素直な若手社員は従いますが、シュガー社員には逆効果です。職場の馴れ合いが、摩擦の原因となる場合もあるのです。

採点:身近な“シュガー社員”を教えてください!
田北百樹子(たきた・ゆきこ)
札幌市出身。田北社会保険労務士事務所所長。保険関係の手続や就業規則作成にとどまらず、人事考課制度導入や社員教育など、企業の人事労務を幅広くサポートしている。「シュガー社員」の名付け親で、09年3月にはシリーズ第3弾となる『ブラック企業とシュガー社員』(ブックマン社)を刊行。
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