抜群に要領がいい「一期上の先輩」
そんな中で陽子さんの目に留まったのが、同じ部署の一期上の先輩だった鳥谷俊介さんだ。俊介さんは、背丈は普通だし、顔もすごく好みというわけでもない。タバコも吸う。しかしコミュニケーション能力が高く、要領が良かった。
「関西出身の人で、すごく面白い人。宴会部長という感じで、今までに出会わなかったタイプだった」
でも営業部だから、飲み会を盛り上げる力、人を楽しませる力がある社員は周りにたくさんいる。俊介さんはそれだけでなく、「要領の良さ」も際立っていたという。
「人を嫌うことがあまりないらしくて、いつも冷静なんですよ。上司にたて突いたり、客先で失敗するということが絶対にない。だから、新人のころから仕事をまかされていましたね」
入社したころ、陽子さんは友達に「社長になれそうな人を選ぶ」と言っていたそうだ。俊介さんはその候補としてふさわしかった。
「人生そんなにうまく行くとは限らないけど、この人だったら転んでも、どうにかつぶされずにやってくことができると思いました」
目標は定まった。では、どのようにして陽子さんは、結婚というゴールまで駒を進めていったのだろうか?
(つづく)