オフィスのみならず、流通や生産の現場でもIT化は急速に進められています。あるメーカー系物流企業の役員Aさんは、自社の物流システムを刷新するプロジェクトを任されました。
さらなるシステム改善に迫られる物流企業
「われわれのような物流子会社は、業界再編や長引く不況といった環境変化に対応するため、これまでのような親会社一辺倒の取引から、自前で新規の取引先を開拓していかなくてはならなくなっています。
親会社となら、細かな変更や突然の要請があっても見知った仲ですので、口頭でのやり取りだけでも上手くいっていた。ところが、新規の相手先となると、トラブルとならないよう、契約や日々の取引について書類を迅速に発行したり、配送をリアルタイムで把握、追跡できなくてはなりません」
もともと、物流業界はシステム投資に重きを置いている業界でしたが、競争の激化によりさらなる投資の必要に迫られていたのです。
そこで、大手の物流企業が採用しているような、取引先と自社の物流拠点や管理部門、ドライバーとをネット経由で一気通貫に結び、情報がリアルタイムで共有できるシステム構築を目指しました。
コンサルやシステムベンダーとの折衝を繰り返し、勉強会や展示会などへ参加する一方、同業他社がどのようなシステムを導入しているか、参考のために知己のいる企業へ足を運んで見学させてもらったりもしました。