過保護に育てられ自立心に乏しく、なぜか自信過剰な若手社員を、砂糖の甘さに例えた「シュガー社員」。前回のコラムでは、シュガー社員を5つの型に分けて説明しました。今回は、マニュアルでしか動かない「ワンルームキャパシティ型」シュガー社員の例を紹介します(登場人物はすべて仮名です)。
「マニュアルに書いてない」とふくれっ面
大手商社に入社5年目の小百合さんは、若手社員の教育係。そこに入社2年目の裕子さんが配属されました。一見おっとりマイペースで職場の癒しの存在のような裕子さんに、小百合さんはルーティンワークの「マニュアル」を作って渡しました。
ある日小百合さんは、裕子さんにお客様へのお茶出しをお願いしました。お茶を出す手順はマニュアル通りで完璧。さすがと思ったのもつかの間、ふと見ると茶碗は茶渋だらけで、お茶も出がらしではありませんか。おまけになみなみ注がれているので、飲もうとしたお客様は「アチッ!」と言ってお茶をこぼしてしまいました。
小百合さんが、裕子さんにそのことを指摘すると「だってそれ、最初に言われていませんよ。マニュアルにも書いてないし」とふくれっ面で、反省の色がありません。「そのくらい言われなくてもわかるでしょう」「言われたら素直に聞けばいいのに」と言い返したくなりますが、それが通用しないのがシュガー社員なのです。