友人などいらない。仕事仲間がいれば十分だ
(押井守『凡人として生きるということ』)

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    僕は今でも、話すべきテーマがない時に他人と話したいとは思わないし、そうする必要を感じたこともない。言葉がなくても一緒にいられるのは犬くらいなものだ。

    それでもどこかで誰かとしゃべっているのは、仕事があるからだ。仕事上、話をしなければならないことは山ほどある。スタッフと話さないと仕事は進まないし、出資者と話して映画の理解を得なければならないし、マスコミの取材を受けて宣伝してもらわないといけない。(略)

    友人にはしたくないような、とんでもないやつらもたくさんいて、でも、仕事だから付き合えるし、そういう人間も面白いとも思える。例えば、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは友人としてはともかく、仕事というフィルターを通すと、これほど面白い人間はいない。仕事はそんな面白い出会いを用意してくれるのだ。(略)

    僕には友人と呼べる人はひとりもいない。けれど、仕事仲間ならたくさんいる。友人などほしいとも思わない。仕事仲間がいれば、それで十分だ。

押井守『凡人として生きるということ』〔幻冬舎新書、123~125頁〕より)

(会社ウォッチ編集者Uのヒトコト)
「若さに価値などない」「他人の人生を背負い込むことぐらいに楽しいことはない」「いい加減に生きよう」など、人生に悪戦苦闘した押井監督が、世の常識のウソを喝破する。アニメファンでなくてもかなり楽しめる一冊。映画「スカイ・クロラ」を観た人は、その世界観をより理解するために。



新書ちょっとだけ

世は新書ブーム。次々と新刊本が刊行されているが、会社や仕事をテーマにしたものも多い。そんな中から「これは!」と思う内容をもつ新書の一部を抜粋して紹介する。

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凡人として生きるということ (幻冬舎新書 (お-5-1))凡人として生きるということ (幻冬舎新書 (お-5-1))
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