最初は大嫌いな男だったのに(上)

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   出会った瞬間にビビっときた!――芸能人の結婚会見でときどき耳にする「運命的な出会い」。しかし、結婚したカップルに話を聞くと「最初はなんとも思っていなかった」という声も多い。特に、同僚同士という関係から徐々に接近してゴールに至る「社内結婚」の場合は……。なかには「初めは相手のことが大嫌いだった」という女性だっているのだ。

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「同期のなかで一番嫌いなタイプだった」

「私が大嫌いなタイプ。仲の良かった同期20人くらいの中でもっとも嫌いなタイプでしたね」

   園田絵美さんは、坂本健一さんと知り合った入社1年目のときを振り返る。

   ルックスが気に入らなかった、というわけではない。「キアヌ・リーブスに似てるよね」と友人に言われたこともある。たぶん、イケメンといっていい部類だろう。でも好きになれなかった。

「なんか、話がかみ合わないんですよね。波長が合わないというか……。会話をしていても、自分の求める答えが返ってこない感じ。周りに気が合う同期の男の子や女の子がいっぱいいたので、この人は合わないな、という気持ちが強かった」

   絵美さんは文系だけど、健一さんは理系。ゴーイングマイウェイという感じで、あまり周囲を気にする雰囲気ではなかったのも、マイナスポイントだったのかもしれない。

   二人は、東京に本社がある機械メーカーに同じ年に入社した。健一さんが一つ年上。同期の飲み会や会社の研修会で顔を合わせることが多かった。だが、親しく話すことはなかった。

「一緒にご飯を食べにいこうってよく誘われましたけど、いつも断ってましたね。でも何回も誘われるうちに同期の女の子に『行ってあげなよ!』と言われて、仕方なくその子も入れて3人で飲みに行ったことがあるくらいでした」
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