どんな暗闇の中にあっても希望を持って歩き続ける 藍井エイル
休養してまわりをゆっくり眺められた
----かなり話がジャンプしちゃうんですけど、2018年の活動再開以来、歌詞・サウンドともにより野心的な作風になりましたよね。
休養前は本当にバタバタと忙しくさせてもらっていたので、どこか曲作りも効率優先になっていたというか。当然そのときどきの私の思いを言葉や音に乗せてはいたんですけど、自分の可能性やチャレンジしてみたいことに目を向ける時間は作れなかったんです。でも長期休養という形ではあったものの、2016年からの2年間は自分やまわりの様子をゆっくり眺めることができて。そういう余裕があったから復帰第1弾のシングル「流星 / 約束」や、次の年にリリースしたアルバム「FRAGMENT」みたいなサウンドができあがったんだと思います。
----「FRAGMENT」には「グローアップ」のような、ねちっこいファンクや、横ノリのクールで大人なロックナンバー「螺旋世界」みたいな曲が収録されているし、あとその復帰第1弾の「約束」の歌詞が衝撃的で。
そうですか?
----まさに"いい子"をやめた藍井さん、そして活動休止していた藍井さんの心情を切り取っているんだろうけど〈どうして私の事 誰も責めないの?〉というフレーズには本当にビックリしました。
「ファンのみなさんやスタッフに迷惑かけてるよなあ」という、あのころの気持ちをウソ偽りなく書いただけではいるんですけど、確かに冒険だった気はします。それまでって「歌詞でこんなことを書いちゃダメだろうな」「こういう言葉はNGだろうな」という予想のもと、思っていることをそのまま言葉にするのではなく、ちょっと本音をはぐらかすような歌詞の書き方をしていたんですけど......。
----さすが、"いい子"(笑)。
ホントに(笑)。でも最近は「ダメだろうな」と思いながらも1回は頭に浮かんだままに歌詞を書いてみて、プロデューサーやディレクターに提出するようにしています。そうしたらあっさりOKをもらえるので、最近は「あれっ!? いいんだ?」っていうことが本当に多いんです(笑)。
----だから活動再開後の藍井さんって、それまで以上に楽しそうなんですよね。
実際、楽しいですから(笑)。