My Sound Story 澤野弘之ファンが待ち望んだ最高のイヤホン
ユーザー視点でオーディオの魅力に迫る「My Sound Story」第3回は、「Just ear」歴3年にして、つい最近2台目を購入したという、会社員のラオさん(ハンドルネーム)にお会いしました。
ラオさんの手元に届いたばかりの2台目は、大ファンである、アーティストの澤野弘之さんが自身の楽曲に合わせて、音質調整したコラボレーションモデル「XJE-MH/nZk」。ファンクラブでの告知があってから、どんな仕上がりのイヤホンなのか、楽しみに待ち続けていたそう。そんなラオさんにJust earとの出合いや魅力、澤野さんの楽曲をJust earでどんなふうに楽しめるのかをうかがいました。
ハイブリッド型カスタムイヤホンの魅力
――ラオさんがイヤホンに興味を持ったきっかけは?
ラオ:高校生のころです。当時、友達とバンドを組むことになり、私はベースを担当していました。ベースの練習は音源を聴きながらするんですが、そのとき使っていたイヤホンでは、なかなかベース特有の低音、曲のベースラインが聴き取りづらくて。自分の出している音が本当にいいのかどうか、わからなかったんです。それで、低音がよく聴こえるイヤホンを買いました。この時練習していた曲の印象が大きく変化したのがきっかけですね。バンド活動は少しの間でしたが、そのイヤホンは大学生になっても長く使っていました。
――Just earとの出合いはいつでしたか?
ラオ:大学生のころ、新しいイヤホンが欲しいと思っていたとき、ソニー製品を中心に扱う販売店「コール徳島」の野田博之店長がブログで、Just earを紹介していたのを目にしたんです。自分好みに音質を調整できるところに魅力を感じました。それからしばらくして、当時私が住んでいた福岡県にある「ソニーストア福岡天神」でJust earの体験会・販売会があり、さっそく試聴に行ったんです。
――試聴した感想はいかがでしたか?
ラオ:低音も高音も、すごく気持ちよく聴けました。Just earのオーナーとして、少しだけ技術的なことを説明すると(笑)、イヤホンの方式は大きく分けると3種類あります。音を出す部品(ドライバーユニット)によりますが、「ダイナミック型」、「バランスド・アーマチュア型(BA型)」、そしてダイナミック型とBA型を組み合わせた「ハイブリッド型」です。ダイナミック型はのびやかで厚みのある低音域に強く、BA型はクリアで繊細な中高音域が得意といった特長があります。それぞれのよさを取り入れたのがハイブリッド型で、Just earはこのタイプです。
いろいろ調べたり試したりすると、他社のカスタムイヤホンはBA型主体のものが多かったんです。でも個人的には、それまで使っていたダイナミック型のイヤホンの音がけっこう気に入っていたので、ダイナミック型の良さも取り入れたJust earは、ますますいいなと思いました。
Just earが"消える"感じがする
――Just earには、音質調整モデルとプリセットモデル、ソニーストアオリジナル音質調整モデルなどいくつかありますが、ラオさんの1台目はどのモデルでしたか?
ラオ:ソニーストアオリジナル音質調整モデル「XJE-MH/WM1」です。私が使っていたウォークマン「NW-WM1A」に最適化されています。幅広いジャンルの音楽をオールマイティーに楽しく聴けそうだ、と思って購入を決断。価格に関しては、正直に言えば、気にはなりましたね。でも私は、いいものであれば、価格が高くても買おうとするタイプ。バイトで貯めたお金を購入資金に当てました。ソニーストアでは分割払いも可能で、それを利用することができました。
――Just earを使い始めて、どんな印象を持ちましたか?
ラオ:音のクオリティーが全然違います。低音も中音もなめらかな、いい音。ダイナミック型のドライバーも使っているからだと思いますが、音の広がり方に立体感を感じました。Just earは空間を広くとらえていて、ギターも音楽ライブと同じような響き方ですし、ボーカル、ベース、ドラムの距離感もわかりやすい。耳につけたときのフィット感もいいですね。時々、身に着けていることを忘れるというか、"消える"感じがします。音だけが周囲から響く、みたいな。他のカスタムイヤホンを試したこともありますが、Just earは圧倒的に心地いい。耳型の採取も丁寧でしたので、だから自分の耳によくなじむのだと思います。
コラボモデルを試聴して「もうこれしかない!」
――Just earではアーティストコラボレーションモデルも展開しています。アーティストの澤野弘之さんが自身の楽曲に合わせて、音質チューニングしたコラボモデル「XJE-MH/nZk」も話題になりました。ラオさんはつい最近、このコラボモデルを購入したということで使用感をうかがっていきたいのですが、まずはどこで知ったのかを教えていただけますか。
ラオ:澤野さんのファンクラブでの告知と、フォローしているJust earのTwitterアカウントからです。そのとき、ファンの間では、かなり盛り上がっていました。私も気になって、まずは試聴して音のバランスが自分の好みに合うか確かめに行こう、と思いました。
少し語らせていただくと、澤野さんがライブのステージモニターとしてJust earを使い始めた2018年2月のライブでのこと。このとき会場には、本人が使うステージモニターを試聴できるブースがあったんですが、私は予定が合わなくてライブに行けず、試聴もできず、ずっと心残りで......。その後、念願だったコラボモデルを試聴したときは、すごく良くて、思わず笑っちゃいました。「もう、これしかない!」と思いました。
――今日着ていらっしゃるTシャツも『澤野弘之 LIVE "BEST OF VOCAL WORKS [nZk]"』のオフィシャルグッズですよね。ずばり、ファンになったきっかけは?
ラオ:話すと長くなりますが、いいですか(笑)?
――はい、お願いします!
ラオ:中学生のころ、よく見ていたテレビドラマ『医龍―Team Medical Dragon―』(フジテレビ)のメインテーマだった「Blue Dragon」という楽曲があるんですが、劇中での使われ方がものすごく印象的でした。ドラマの一番盛り上がるシーンで、いい感じで入ってくるんです。いい曲だなと思って、ときおり思い出しては、自分の頭の中でリピートしていました。当時、劇中曲を集めたサウンドトラック(サントラ)があるなんて、知らなかったからです(笑)。
この楽曲をつくったのが、澤野さんだと知ったのは、大学生になってから。テレビアニメ『キルラキル KILL la KILL』を見ていたら、このときも劇中で印象的な楽曲が多かったんです。つくった人は誰だろう......スタッフロールを追っていると、「澤野弘之」という人だとわかった。それからですね、澤野さんの楽曲を探して聴くようになったのは。すると、「あの曲も!」「この曲もだ!」と驚きと納得の連続でした。
それからは、澤野さんのライブにも行き出して、よりのめり込んでいきました。澤野さんのMCがまた、めちゃくちゃくだけていておもしろいんですよ。ますますファンになりました。MCがひと段落すると、あのかっこいい楽曲を演奏してくれて。そのギャップも、たまらない(笑)。
――澤野さんがつくる楽曲のどんなところが好きですか?
ラオ:やはりメロディーが特徴的で、そこが好きですね。耳に残るものが多い気がします。澤野さんは劇伴作家として、またボーカルプロジェクト「SawanoHiroyuki[nZk](サワノヒロユキ ヌジーク)」で活動されていますが、どの楽曲もかっこいい!
劇伴曲で一番好きなのが、さきほども話に出た「Blue Dragon」。同じテレビドラマ『医龍』で使われている「spirit」もよく聴きます。テレビアニメの劇伴曲で好きなのは、『キルラキル』の「Before my body is dry」(ボーカル入りです)、『ギルティクラウン』の「βios」(これもボーカル入りです)、『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』の「UNICORN」。
SawanoHiroyuki[nZk]」の楽曲で好きなのは「BELONG」と「Trollz」。「Trollz」をはじめて聴いたときは、衝撃的でした。この楽曲はチェロの演奏から始まって、サビがダイナミックに展開します。澤野さんの楽曲は、聴きごたえがあって、ダイナミックな印象のものが多いんですが、「Trollz」はまた違ったアプローチを感じました。......と、全部大好きなので、このくらいで止めておきましょう(笑)。
聴くたびに新しい音を発見できる
――澤野さんの手掛けた楽曲を、コラボモデルのJust earで聴いてみて、いかがでしたか?
ラオ:実物が手元に届いて、最初に試聴したのは「BELONG」と「Blue Dragon」。ボーカル曲の「BELONG」では、ボーカルの声の位置を確かめました。澤野さんはコーラスを左右で別の音を配置することもあって、それがわかりやすいこの楽曲で試しました。インストゥルメンタル曲の「Blue Dragon」では、どこからどの音が聴こえてくるか、音のバランスはどうかをじっくりと確認しました。音に立体感があって、もうすべてがバッチリでした!
――澤野さんが重視する低音、低い帯域での音の広がり方やサウンド全体の立体感は、感じられましたか?
ラオ:はい。1台目の「XJE-MH/WM1」と比べて、ベースの音は際立ってよく聴こえました。ボーカルの歌声と楽器とのバランスもよく、より澤野さんのライブに来ている感じに近い気がします。女性ボーカルでは、mizukiさんの声がよりのびやかで、透き通って聴こえる印象です。男性ボーカルでは、Yoshさんの声、かっこいいんですよー。よりロックな感じで、ホント聴いていて楽しいです。澤野さんの楽曲は、一度に聴こえるボーカルやコーラス、楽器の音(音数)が多いんですが、Just earを使うと、それらの細かい音までよく聴こえる。澤野さんの意図を持った音の配置を感じられますね。聴くたびに新しい音を発見できる、そんな感じがします。
――これから使い込んでいくのが楽しみですね。
ラオ:1台目はどんな楽曲にも合うのでリラックスして聴きたいとき、澤野さんの楽曲を聴くときはコラボモデルを使うと思います。いやでも、以前のインタビューで、このモデルは「第二のマスタリングになる」 とおっしゃっていました(マスタリングとは、音楽制作の最後に行う、楽曲全体のサウンドを整える作業)。これは、本人がどういうバランスで音楽を聴いてほしいか、イヤホンにもその意図が込められている、ということ。なので、他のアーティストの楽曲を聴いてもおもしろそう。澤野さんがこのアルバムをマスタリングしたら、こんな感じかな、と想像しながら楽しめそうです。
――最後に、ラオさんにとってJust earの魅力は何でしょうか?
ラオ:もともとJust earに興味を持ったきっかけが、自分好みに音質調整ができることでした。ところが、1台目も2台目も選んだのはプリセットタイプで、まだ音質調整モデルを使ったことがありません。実は、コラボモデルが出なければ、自分で澤野さんの楽曲でチューニングしてみたいと思っていました。ですので、次こそはと、3台目の購入も考えています! 自分好みのオト、追求してみたいですね。
ソニーストア銀座では2020年9月25日(金)、26日(土)、27日(日)の3日間、「Just ear ソニーストアオリジナル音質調整モデル&澤野弘之コラボモデル体験会・販売会」を実施する。25日(金)と26日(土)は、Just earの音質調整を対応する2人の音質コンサルタントも来店し、体験のサポートを行う。気になる人は、足を運んでみては。