子どもの頃からの夢を現実にした春奈るな。 アニソンを自分らしく歌えるのは アニオタだからこそ
セーラームーンで目覚めた‶アニソンの素晴らしさ″
――春奈さんにはボーカリストのほかに、ファッショニスタ・ファッションモデルという横顔もあって、この春にはほかにもキャップブランドNEW ERAの「THE NEW ERA BOOK Spring & Summer 2020」にも登場されていましたよね。ところで、そのファッションの道への目覚めと音楽への目覚めって、どちらが早かったんですか?
音楽が完全に先ですね。5歳のころ「セーラームーン」シリーズを好きで観ていたのをきっかけにアニソンの素晴らしさを知ったので。
――当時の春奈さんにとっての‟アニソンの素晴らしさ"って何だったのですか?
「この音楽は耳だけじゃなくて、視覚とかいろんな感覚をくすぐってくれるな」と幼いながらに感じていたんだと思います。映像と結び付きの強いジャンルだから、ほかのジャンルの音楽以上に五感を刺激してくれるというか。昔の曲を聴いていると、当時嗅いでいた匂いを思い出すことすらありますから(笑)。それで「アニメの楽曲を歌える人になりたい」って夢見るようになって。高校生のころ『KERA』っていうゴシック&ロリータ専門誌の読者モデルになったんですけど、それも「いつか音楽の仕事につながるといいな」って考えたからなんです。
――当然ゴシック&ロリータの世界が好きだからモデルになったけど、実はその先のキャリアもにらんでいた、と。
結果的にはモデル活動が直接音楽活動につながることはなかったんですけど、そういう思いもありました。
――じゃあ当時は読モをやりながら、ボイストレーニングを受けたりしていた?
ボイトレは中学生のころからやっていて、そのころ、『レンタルマギカ』というWebラジオのドラマパートの主題歌を2曲歌わせていただきました。
――それはどういうきっかけで?
とにかく自分でデモテープを録って、いろんなオーディションに送っていたので(笑)。そうしたらWebラジオの制作スタッフの方が声をかけてくださって、ボイトレの先生もその方に紹介していただきました。
――そして春奈さんのキャリアの転機になったのが、2010年の「第4回全日本アニソングランプリ」。このコンテストのファイナリストになったことがきっかけでメジャーデビューしています。
いろんなところにデモテープを送りまくっていた中学生のころ以上に「アニソングランプリ」には人生を賭けていたので、本当にうれしかったし、ちょっとホッとしたりもしました。
――人生を賭けていたんですか⁉
アニマックスというアニメ専門のCSチャンネルが主催していることもあって「アニソングランプリ」には優勝者をアニメの主題歌でデビューさせるという明確なコンセプトがあったので。まさに子どものころからの夢が叶うコンテストだっただけに気合いは入りましたね。
――ただ惜しくも優勝は逃している。それでもSMEレコーズ(当時。現在はSME内のSACRA MUSIC所属)の目に留まった理由ってご自分でどう分析しています?
なんでなんですかね(笑)。漠然としていて申し訳ないんですけど、アニメや音楽に対する愛や熱が伝わったのかなあという気はします。それこそ、読者モデルをしていたことも少しはプラスになったかも。