"世界にひとつだけ" Just earの輝きを生み出す、ソニー・太陽のものづくり

玉に瑕(キズ)は許されない

   実際に作業を見せてもらうと、そのシェル制作は、職人的な技術やノウハウの蓄積によって成り立っていた。例えば、Just earの魅力のひとつに数えられるクリアシェルの美しさを現実するには高度な職人技が求められる。そこで製作現場ではまず、型に樹脂を流し込む工程で速度を微調整するなど、気泡の発生を最低限に抑えるための様々な工夫が考案され、導入されているという。

採取された耳型の細部を削りマスター型を作り、シリコンで型採りをしたものに紫外線硬化樹脂を流し込み「Just ear」のシェルの原型が出来上がる
採取された耳型の細部を削りマスター型を作り、シリコンで型採りをしたものに紫外線硬化樹脂を流し込み「Just ear」のシェルの原型が出来上がる

   「気泡対策に限らず、スタッフが考案した製造工程の改善策や工夫は、チームで検証をし、有用であることが確認されたのち、正規の製作工程に組み込まれ、共有されます。製品としての均一なクオリティーを維持していくために不可欠なプロセスです」

   しかしそれでも、気泡の発生を完全に防ぐことはできないという。ではどうするのか?

   「シェルの表面近くに発生した気泡なら、その気泡に針を通し、そこから樹脂を注入して埋め、表面を磨き上げて、無くすことができるのですが、奥にできてしまった気泡はどうにもなりません。ですから前者はある程度許容してでも、後者を発生させないことに重きを置いて作業しています」

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