タケ×モリの「誰も知らないJ-POP」REBECCA、ふたつのライブ   
80年代の新鮮さ

ライブとは何かへの答え

   東京ドームの映像と同時発売で85年12月の渋谷公会堂のブルーレイ作品も発売される。下積み時代を抜け出したREBECCAがメジャーシーンに衝撃的な登場を果たした最初のコンサート「REBECCA LIVE'85~Maybe Tomorrow」の完全版は、ようやく舞台に上がれたという感極まったような体当たりなライブ映像だった。その作品の試写会での筆者のインタビューでNOKKOは「今まで自分のライブ映像は気恥ずかしくて見られなかった。やっとそういう時期が来たのかもしれない」と言った。

   そのライブから3年半後の東京ドームは、持てる力の全てを使って更に高みに向かって行こうとする意欲が溢れている。

   REBECCAは、この後、90年1月の武道館公演を最後に活動を休止、91年に解散した。95年の阪神淡路大震災を契機に限定再結成、2017年には全国ツアーも行った。その時に行われた武道館でのNOKKOは、当時を凌ぐ声量で客席を圧倒、今の存在感を見せつけていた。

   あれから30年が経つ。

   コンサートを取り巻く環境や音楽の流行も今とはかなり違う。でも、テクノロジーが未発達だったからこそ生まれるものもある。そして、だからこそ新鮮に思えることもあるだろう。

   87年の東京ドームと85年の渋谷公会堂の二つの映像作品は、ライブとは何かという普遍の答えを見せてくれるはずだ。

(タケ)

タケ×モリ プロフィール

タケは田家秀樹(たけ・ひでき)。音楽評論家、ノンフィクション作家。「ステージを観てないアーティストの評論はしない」を原則とし、40年以上、J-POPシーンを取材し続けている。69年、タウン誌のはしり「新宿プレイマップ」(新都心新宿PR委員会)創刊に参画。「セイ!ヤング」(文化放送)などの音楽番組、若者番組の放送作家、若者雑誌編集長を経て現職。著書に「読むJ-POP・1945~2004」(朝日文庫)などアーテイスト関連、音楽史など多数。「FM NACK5」「FM COCOLO」「TOKYO FM」などで音楽番組パーソナリテイ。放送作家としては「イムジン河2001」(NACK5)で民間放送連盟賞最優秀賞受賞、受賞作多数。ホームページはhttps://takehideki.jimdo.com/
モリは友人で同じくJ-POPに詳しい。


   出典元: タケ×モリの「誰も知らないJ-POP」https://www.j-cast.com/trend/column/jpop/

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