平成最後のヘッドフォン祭が開催
時代を彩った名機の開発秘話も
2019/5/17 17:00
ソニーのカナル型イヤホンの生みの親が登場
続いて登壇したのは、ヘッドホン開発を経て、現在はワイヤレスポータブルスピーカーの音響設計リーダーを主担当としている関 英木氏。開発した代表モデルはMDR-CD3000、MDR-EX70、SRS-X99、SRS-HG10など多岐にわたる。
関氏は、前出の投野氏に続いて「耳型職人」を任された3代目(松尾氏は5代目)。また、関氏は、投野氏が1984年に製作し、開発途中となっていた9ミリサイズのドライバーユニットを元に、密閉型インナーイヤーヘッドホン「MDR-EX70」を1999年に製品化。いわば、今日ではポピュラーとなった、交換型イヤーチップを使って快適で迫力ある音が楽しめるカナル型イヤホンの生みの親といえる存在といえるだろう。
松尾氏によれば、関氏は機械や自動車を修理する達人でもあり、ソニーの過去の名機を触れられるような体験会で使われたウォークマンやヘッドホンは、関氏がほぼ修理していたという。また、関氏の好きな音楽は、松田聖子をはじめとする、編曲家・大村雅朗氏らが手掛けたような、美しくアレンジされた歌謡曲ということだった。
今後は、Just ear購入時の音質調整には、3人の音質コンサルタントから選べることになる。
左から、井出氏、関氏、松尾氏。松尾氏のトレードマークとなった白衣と重ならないように、服装を選んだという。