アニソン界のトップランナーであり、J-POP界きってのライブパフォーマーLiSA。今日も「目の前の君」に歌う
アニメソングシーン屈指のボーカリストとして君臨する、LiSA。パンクやエモ、ラウドロックに軸足を置いたタフな楽曲の数々を人気アニメに提供する一方、単独ライブはもちろん、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』や『COUNT DOWN JAPAN』などの大型フェスに出演。圧倒的なパフォーマンスを見せつけ、アニソンの世界に留まらず、J-POP界にも活躍のフィールドを広げている。また、今回のインタビューでは、SONY Just earのコラボレーションモデル「XJE-MH/L1SA」の発売に合わせ、普段聴いている音楽のこと、Just earとの出会いや使い心地も聞いてみた。
来たる4月29日と30日には神奈川・横浜アリーナでライブ『LiVE is Smile Always~364+JOKER~』を開催。平成最後の2日間を国内屈指の大バコで締めくくる。
そんなLiSAにアニメソングやライブに賭ける思い、普段のリスニングスタイルやテイラーメイドイヤホン「Just ear」を選んだワケなど幅広い話を聞いた。
――LiSAさんは元々インディーズバンドの一員として音楽活動を始め、その後、ソロシンガーを目指して上京されたそうですね。
はい。
――そしてアニメ『Angel Beats!』の劇中バンド、Girls Dead Monsterのボーカリストとしてプロのキャリアをスタートして、以来アニメソングを多数歌っていらっしゃいます。LiSAさんにはアニメソングシーンはどう映っていますか?
最初はリスナーの方たちのアニメ作品に対する愛情の大きさにビックリしました。アニメそのものはもちろんのこと、声優さん、そして私たちアニソンアーティストも含めて追いかけてくれるのがすごく印象的で。その印象は今も変わってなくて、例えば新曲で過去の曲を引用したりする"遊び"を仕掛けるとちゃんと反応してくれる。それくらい1曲1曲を聴き込んでくれているんです。そうすると、愛情込めて作った甲斐があったなあって思います。
ライブではリスナーと1対1の関係
――表現者として、楽曲を届ける立場で気を遣っていることはありますか? リスナーがビビッドに反応したり、フェスなどでも初めてLiSAさんの曲を聴いた観客にも感動を与えることができるというのは、アプローチの仕方が大きく影響していると思いますが。
もしそうであるならうれしいです。楽曲は当然全力で作っていますし、ライブでは私は常にお客さんと1対1の関係だと思っていて。数千人に向けて歌っているのではなく「目の前にいるあなた」「目の前にいる君」に届ける感覚で歌っています。だから"あなた"にハプニングが起きれば私の歌も動揺したものになるし、"君"がノってくれれば私もヒートアップできる。しかもその空気に触れることが楽曲制作にも影響されてくるので、いいライブをすることには特にこだわってます。
――じゃあLiSAさんにとって最も刺激的なことはライブ?
そうですね。ただ楽曲制作に関しては、ジャンルは違うけど映画のような、誰かが愛情を込めて作った作品から刺激やヒントをもらうこともけっこうあります。
――ちなみに最近ハマった映画は?
めちゃくちゃベタなんですけど『ボヘミアン・ラプソディ』(笑)。
――我々ですらグッとくるものがあった映画だけに、同じミュージシャンが見ると相当アガりそうですね。
フレディ・マーキュリーのことを心の中で「先輩っ!」って呼んじゃうくらいアガりました(笑)。今も昔もミュージシャンっていうのはプレッシャーや孤独を感じながらも、いろんな人の思いを連れて音楽を作ってるんだなあ、ということを再確認できました。
"愛され力"の強さ
――少し話がそれますが、LiSAさんは "先輩"方からの愛され力が強いですよね?
あはははは(笑)。
――UNISON SQUARE GARDENの田淵智也さんにはデビュー当時から曲を書いてもらっているし、東京スカパラダイスオーケストラのトリビュートアルバム『楽園十三景』にも参加している。
ありがたいことにかわいがってもらってます(笑)。でもあえて後輩らしくしているわけでもなくて。日本の音楽シーンを切り開いてきた先人は当然素晴らしい存在だから、良い意味でなにも考えずに尊敬しています。その素晴らしさは活動を続ければ続けるほど強く感じられる。私に限らず、どんなアーティストにもキャリアを積めば、ぶつかる壁があると思うんですけど、私は壁に直面するたびに「先輩方はこれを乗り越えたのか!」「すごいなー!」って感じますから。
――LiSAさん自身、今やアニソンシーンのトップランナーであり、J-POP界名うてのボーカリストでもある。4月29日と30日には横浜アリーナでの2デイズライブが待っています。
「364+JOKER」というタイトルでやらせていただきます。
――どんなライブになりそうですか?
......どこまで話そうかな?(笑) まずトランプのすべてのカードの数字を足すと364になるんですね。で、その364にジョーカーを足すと1年の日数と同じ365になるんです。......ヒントは以上っ!(笑)
――なにが起こるのかは、横アリに来て確かめろ、と(笑)。
はい(笑)。前回横浜アリーナで2デイズライブをやったとき(2016年11月26日、27日)は「the Sun」と「the Moon」という、日にちごとに異なるコンセプトを決めていたんですけど、ある意味今回も同じ。新作アルバムを引っさげてのライブではないので、新曲をお届けするというよりも、「364+JOKER」の名のもとに音楽をお届けできたらいいな、と思ってます。
アニメファンから"LiSAッ子"へ
――で、その横アリ公演に限らず、この1年、LiSAさんはライブモードですよね? 新曲の発表は控えめに、その代わり国内だけでなくアジア各国も回るツアーを組んでいました。
昨年2枚のベストアルバム(2018年5月9日発表の『LiSA BEST -Day-』『LiSA BEST -Way-』)をリリースしたことが私の中では本当に大きなできごとで。やっぱりベストアルバムってミュージシャンの歴史の中で大きな意味をもつ作品だから、ライブでみんなに「出たよ!」って言いふらしたくなったというか(笑)。ベストを発売できたことをみんなとお祝いしたかったんです。
――それで昨年、国内外を飛び回った、と。国内公演が盛況だったのは想像に難くないんですけど、アジア公演はいかがでした?
アジアツアーは2回目だったんですけど、前回(2015年の『LiVE is Smile Always〜ASIA2015〜』)は、ライブ中に「あっ、お客さんはみんなアニメのファンなんだな」ということがはっきりわかっちゃったんですよ。
――それはなぜ?
みんな1コーラス目しか一緒に歌ってくれないから(笑)。
――アニメのオープニングやエンディングで流れるところだけ知っていた(笑)。
そういうこともあったから今回もちょっと不安でしたね。言葉も通じない私が、アニメでしかLiSAのことを知らない皆さんをどう楽しませよう? って。
――結果はいかがでした?
2コーラス目以降も一緒に歌ってくれました(笑)。
――おーっ! アニメのファンではなく、LiSAッ子(LiSAファンの通称)が集まってくれた!
さらにタイアップ曲じゃない曲も全部一緒に歌ってくれて。だからおっしゃるとおり「みんな、LiSAッ子になってくれた」「"アニメの曲"ではなく、"私"を待ってくれてた」ってすごく感激しました。
――アーティスト・LiSAがアジアにファンを広げることができた理由はなんだと思います?
やっぱりアニメファンの方の愛情が大きいからですね。アニメをきっかけにLiSAを知って、海外にいるにも関わらず、CDやライブを収めたBlu-ray / DVDで私のことを追いかけて「この曲を体感してみたい」「LiSAのライブを観てみたい」って思ってくれるようになったわけですから。もし私がなにかしたとするなら、そう思ってもらえるような楽曲作りとライブを積み重ねてきたことなんでしょうね。
理想のLiSAと現実のLiSAが近づいた
――そして5月15日にはそのツアーの模様が収められたライブBlu-ray / DVD『LiVE is Smile Always 〜ASiA TOUR 2018〜[eN + core] LiVE & DOCUMENT』が発売になりますね。
これまでは確かに「ライブBlu-ray / DVD」だったんですけど、今回は「LiVE & DOCUMENT」なんです。ほかの国の言葉でMCをしているアジアでのライブの様子はもちろんなんですけど、今回はその舞台裏もカメラに収めてもらっていて。その映像もかなりのボリュームで収録されています。
――海外で四六時中カメラに張り付かれるのって大変じゃないですか?
確かに以前の私は理想のLiSA像と現実のLiSAの姿にギャップを感じていて、その間に挟まれてもがいたり、頑張ったりしている姿は見せたくなかった。なのでバックステージにカメラを入れることはなかったんですけど、デビュー5周年の頃......3年くらい前からようやく理想のLiSAと現実のLiSAが近付いてきた感覚があって。さらにLiSAッ子との信頼関係もより強くなっている自信があるから「今ならほんとうのLiSAをお見せしても大丈夫かな」と思ってドキュメント映像を撮ってもらいました。今なら見てくれるみんなも「えっ! LiSAってそんなに怒るの!? 怖い!」ってならないかなって(笑)。
――キレてる場面まで収録しましたか(笑)。
それは冗談ですけど(笑)、「どの国でもわりと楽しそうにしてるんだなあ」ということがわかっていただけるとは思ってます。
ワガママを叶えてくれるイヤホン
――ツアーの移動中に音楽を聴いたりは......。
してますね。
――どんな方法で?
以前は耳にイヤホンを入れるのがあまり好きじゃなかったので、ヘッドホンで聴いたり、あと家ではステレオで聴いたりしてます。
――どんなジャンルを聴いてます?
洋楽の歌モノが中心ですね。自分自身がシンガーなので、歌心のあるものが好きというか。ボーカルの息遣いが感じられたり、「あっ、このフレーズをそういうまくり方で歌うのか!」っていう発見があったりするものをよく聴いてるかなあ。あとはベースのグルーヴに耳がいっちゃうことも多いので、ロックはもちろんなんですけど、R&Bもけっこう聴いてます。
――で、先ほど「イヤホンは苦手」とおっしゃっていたんですけど、テイラーメイドイヤホンJust earのユーザーなんですよね?
ある方に「いいイヤホンがあるよ」ってうかがって作ってみました。
――実際使ってみていかがですか?
これまでもライブ用のイヤーモニターとして、耳の型を採ってイチからイヤホンを作ったことはあったんですけど、プライベート用のJust earは全然違いますね。私は楽器の音がくっきり聞こえたほうが歌いやすいので、イヤモニの音圧がけっこう高めなんです。それで「イヤホンで聴くのってちょっとストレスかも」と思っていたんですけど、Just earは優しく耳にフィットしてくれるからリラックスして音楽が聴けます。しかも音の広がりがすごいというか、サラウンド感があるんですよね。すごく大きな会場で聴いているような感覚になれるんです。
――耳の型を採って......という手間をかけただけの音質は約束してくれる?
ええ。既成のものだと「このイヤホン好きなんだけど、ちょっとロー(低音域)を削りたいな」とか「もっと歌のニュアンスをしっかり感じたいな」っていう感じで、完全に自分の好みと一致することはまずないと思うんです。でもJust earなら特に鳴らしたい音域を立ててもらったりと、自分好みの音を作ることができる。そういうワガママを叶えてくれるイヤホンですね。
【プロフィール】
LiSA(リサ)
岐阜県出身。ボーカリスト。学生時代に地元でバンド活動を始め、2010年春にはテレビアニメ『Angel Beats!』の劇中バンド「Girls Dead Monster」の2代目ボーカル・ユイ役の歌い手に抜擢され、同年5月バンド名義のシングル『Thousand Enemies』をリリース。その後、11年4月にLiSA名義のミニアルバム『Letters to U』でソロデビューを果たす。以来、11年発表の1stシングル『oath sign』表題曲がテレビアニメ『Fate/Zero』のオープニングテーマに採用されたのを皮切りに、数々のアニメのテーマソングを担当。これまでに14枚のシングルと、フルアルバム4作、ミニアルバム2作、ベストアルバム2作を発表している。14年と15年、東京・日本武道館でライブを行い、15年には「MUSIC STATION」(テレビ朝日系)にも出演。また18年発表の『LiSA BEST -Day-』『LiSA BEST -Way-』というベストアルバム2タイトルは同年5月21日付けオリコン週間アルバムランキングで1位と2位を独占した。そして今年4月29日と30日は神奈川・横浜アリーナでライブ「LiVE is Smile Always~364+JOKER」を開催し、5月15日には昨年のアジアツアーの模様を収めた映像作品『LiVE is Smile Always 〜ASiA TOUR 2018〜[eN + core] LiVE & DOCUMENT』を発表する。
公式サイトLiSA OFFICIAL WEBSITE https://www.lxixsxa.com
■筆者:成松哲(なりまつ・てつ)
1974年大分県生まれ。ライター。音楽ナタリー編集部を経て独立。「リアルサウンド」「アニソンぴあ」などのウェブメディア、雑誌で音楽、アニメを中心にさまざまな分野でインタビューやコラム執筆を手がける。著書に『バンド臨終図巻』(共著。河出書房新社/文春文庫)など。
Twitter:https://twitter.com/narima
■撮影:葛西亜理沙(かさい・ありさ)
横浜生まれ。青山学院女子短期大学英文科、サンフランシスコ州立大学芸術学部写真学科卒業。写真家・坂田栄一郎に師事。その後、独立。東京を拠点として広告や雑誌、カタログ、WEBなどを中心に写真や動画の撮影している。
また個人の作品も制作し国内外で発表している。 第63回朝日広告賞入賞。第16回上野彦馬賞「九州産業大学賞」受賞。
URL: https://www.arisakasai.com/
instagram: arisakasai_photo
【SONY Just ear LiSAコラボレーションモデル XJE-MH/L1SA発売開始!】
■受注期間:2019年4月27日~8月31日
■販売価格:25万円+税 (別途、耳型採取費用9,000円+税がかかります)
■特別仕様:本体プレートへのオリジナル刻印「★GREAT ANOTHER DAY★」・LiSA自身のデザインによるスペシャルパッケージ・LiSA直筆サインとメッセージが印刷されたブロマイド
■一般仕様:形式:密閉ハイブリッド
■ドライバーユニット:13.5mmダイナミック1基(ウーファー)バランスド アーマチュア1基(ミッド/ハイ)
■最大入力:100mW (IEC*)
■コード:約1.2m OFCリッツ線(着脱式、Y型)
■プラグ:金メッキL型ステレオミニプラグ
■付属品:キャリングケース、キャリングポーチ、クリーニングツール
※IEC(国際電気標準会議)規格による測定値
SONY Just ear LiSAコラボレーションモデル XJE-MH/L1SA https://www.sony.co.jp/Products/justear/limited/XJE-MH_L1SA/